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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.11.22,Thu




 今月のはじめに一週間、イタリアに行ってきました。
 純粋な観光です。
 つーかちょっと前のエントリで、「大陸ヨーロッパ行ってきます」とか書いた気するんですが、イタリアって厳密に言えば(言わなくても?)大陸ヨーロッパじゃないっすね。半島ヨーロッパです。ながぐつ半島。
 まあ、それはそれとして。

 じつはもう7・8年前になりますが、イタリアには一度行ったことがありました。したがって今回は二回目です。それでも、自分が少し成熟したのかなんでなのか知りませんが、前回とはかなり異なる印象でした。どちらがより楽しかったということではないのですが、やっぱり自分のおかれてる状態によって、見るものも食べるものも感じるものも、色々とちがうものだなあ。

 ということで、今回のエントリから数回にわたって、イタリア特集を書きたいと思います。



 今回の旅行の予定を立てるにあたって、まず訪れると決まっていた場所はポンペイだった。むしろポンペイが先にあって、イタリア来訪が決まったと言っても過言ではない。2000年前に火山の灰の下に沈み、その後1700年にわたって時間が完全に停止した、生ける死の都市ポンペイ……(おお浪漫) 前回のイタリア旅行、およそ初めての海外旅行のとき、スケジュールのつごうで訪問先からはずすも、ずっと心にわだかまりを残していた古代遺跡……(おお浪漫!)
 今回は日本に住む友人と二人の旅行だったのだが、あれ、なんか考えてみるとわたしの希望や都合がずいぶん優先されてるな。(いや、友人も面白そうと言ってはいたが……なんか海外旅行するといつもこんなんだ。→ベルリン参照)
 イタリアでもかなり南部にあるこの遺跡は、ローマから無理をすれば日帰りで行けないこともないが、時間の制約上バタバタせざるをえない。ゆっくりポンペイを見たいと思えば、近隣の都市ナポリに泊まるのが便利だ。

 「ナポリって食べ物のおいしいところだよね」
 「まあ、そういう話だね」
 「ナポリタンの由来だよね」
 「そうだね、ナポリタンは全然ナポリ風じゃないらしいけどね」
 「ほか何があったっけ。ピザか」
 「マルゲリータが名物だったかな」
 「だけどイタリアでも治安が悪いので有名っていうよね」
 「なんかそんなことを聞いたことがある気もするね」

 そんな会話を友人とあっけらかんと交わした気もするが、治安よりもあきらかに食い物のうまさを取ったわれわれは、あっさりとナポリの滞在を決めたのだった。ちなみに、わたしがイタリア旅行を追えて帰ってきた翌日、ハウスメイト(ウィーン出身)に会ったときの第一声は「ナポリ行ったんだっけ?ワーオ。よく攫われもせず無傷で帰ってきたね」であった。このハウスメイトはいつも真面目なのか冗談なのかまったく判断がつかない物言いをするので何とも言いがたいのだが、そのジョークとも本気ともつかない「危険地帯」表現に、ナポリの一般イメージが端的に表れているような気がする。

 さらに、一週間ならばもう一都市くらい行けるのではということで、ほかにどこに行くかを協議する。
 友人が世界遺産のアルベロベッロ(こんなん)やマテーラの洞窟住居サッシ(こんなん)はどうかと提案し、二人でネット上の写真を見て興奮するが、交通の便が悪そうな僻地を一週間でいろいろと行き来するのは困難かという話になり、残念ながら今回は見送り。
 さいわいというかなんというのか、われわれは二人とも共通して嗜好が地味で、オサレ都市ミラノ(偏見)にはまったく食指が動かなかった。加えて、「北イタリアではクリームやバターといった乳製品を、南イタリアではトマトやオリーブといった地中海風の食材を使う」という素人イタリアフード知識も、われわれの興味を北に向かわせなかった。けっきょく、すべて食で決まってる気がしないでもない。
 まあ、それはそれとして。

 わたしは前回のイタリア訪問でローマとフィレンツェを訪れていたのだが、そのときもった印象は、フィレンツェは「可愛いけれど一回でいい」街、ローマは「もう一度でも行きたい街」というものだった。ローマが幾百幾千のみどころに溢れているというのもあったが、どうやら絢爛豪華なルネッサンス芸術の精髄よりも、埃にまみれた古代遺跡の神秘のほうに魅力を感じるたちのようである。それを友人に告げ、「じゃあローマでもいいかもね」という話になる。(ふたたび私の希望でことが決まっている……)
 結局、日本への飛行機の発着を考えてもローマにはいずれ立ち寄らなければならないし、世界的観光都市だったら見るものにも事欠かないだろうということで、もう一つの滞在都市はローマにあいなった。


 というわけで、次回以降、「ポンペイ編」「ナポリ編」「ローマ編」「食べもの編」「旅の技術・宿と交通編」あたり、五回程度にわたって旅行記録を書いていこうと思います。基本的には、チープ路線でネット酷使の個人設計旅行。そういうイタリア旅行をしようと思っている人の参考になれば幸いです。



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