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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2011.10.31,Mon
久しぶりにブログを見返したら10ヶ月前のシチリア・マルタ旅行記がユーミンの「恋人はサンタクロース」についてのくだらない文章で始まっていて、時間の流れを感じた。いやくだらない文章を書いているのは十年一日のごとしなのだが なんというか 

まあ問答無用で旅行記を続けることにする。言い訳など要らぬ! 態度こそが重要!!!(しかし記憶がフレッシュなうちにシチリア・マルタの旅行記を……とか言ってたんだなあ……なんてナンセンスなブログなのだろう……)



前回、お犬様天国で終了した一日目。ちなみにスリーマのホテルはごくごく普通の民宿風ホテルって感じなのだが、驚いたのは、水道水がしょっぱいこと。



こんな感じのカントリー調の内装の洗面室の蛇口から、塩からい水が出る。どのくらい塩辛いかというと、味薄めの味噌汁くらい? 海水よりは辛くないが、それにしてもびっくり。
まあマルタは海に囲まれたちっちゃな島で、ずいぶん乾燥のきびしい土地の様子。じっさい到着当日のスリーマ散歩でもこんな建物を見つけて「わーさすがだなー」と奇妙な感慨を抱いていたところだったのだ。


建物の入り口のところに「SEA WATER DISTILLING 1881」と書いてある
19世紀末の海水蒸留施設のようだ


つまり一昔前には周囲の海からとった水を蒸留しないといけなかったほど、純水が手に入りにくいということなのだろう。ちなみにウィキペディアを見ていると、ルソーが有名な『エミール』のなかで「必要とあらばアイスランドの氷の中であろうと、マルタ島の焼けただれる岩壁の上であろうと、生き抜くことを彼に教えなければならない」とマルタについて言及しているとあり、「ヨーロッパ人にとってマルタはその過酷な生活環境で知られていたと書かれている。それなのに新石器時代からずっと人が住み続けてきたんだよなあ、すごいなあ。

それにしても塩水で歯を磨くのは、なんだか変な感じだ。いまをさることウン十年前、「塩歯磨き」が売り出された最初のころ、実家でもこれを購入したことがあるのだが、家人全員がただちに「激マズ」のレッテルを貼り、数日のうちに使用するのは私ひとりになった。親には「その歯磨き好きなの、うわー」と感心されたが、私は小学生の時分より「もったいない症候群」にとりつかれていたため、大量に残った歯磨きがゴミ箱行きになるのが忍びなかっただけだったのである。その結果、マズ歯磨きの巨大なチューブを最後まで一人で使わざるをえなかったという、なつかしくもあまじょっぱい(literally)思い出だ。さらにその後に実家を出てしばらくたって友人に借りた漫画を読んでたら、

「合コンで会った女と酔っ払った勢いでホテルに入ったが、事のあとに女が『ねえねえ、歯磨き何使ってる?え!?つぶ塩?じゃあ私とおんじだ!別々の買わなくて済むね~♪』と一人で盛り上がってしまい、つきあう気などさらさらなくて困る男」

というシーンに出くわし、「そうか……塩歯磨きって世間ではそんなに人気があったんだ……」とノスタルジックに過去を思い返したものだが、そんな回想をさらに振り返る、多重構造の記憶……(ホウ……)。

安彦 麻理絵
秋田書店
発売日:1996-04



どうでもいいが、そこまで大大好きな漫画家というわけでもないのにこの人の作品をよく話題にしてしまい、なんか引き出し少なくてhazukasiーと思うことがけっこうある。いやーいきのいい漫画をもっと読まなきゃね!!




話がこれでもかというくらい横にそれている。2010年のスリーマに記憶を引き戻すことにしよう。




ということで、第一日目がようやく終了。この一日目だけの旅行記でじつに10ヶ月かかった。
それは不問にすることとして、二日目からはさっそくの観光開始である。最初はマルタの古都バレッタに向かうことに。

前々回のエントリでも書いたが、マルタは人口数十万、名古屋市と同程度の面積しかない、ちっちゃい、ちっちゃい国である。したがって町といえる町も多くはない。首都バレッタ。観光ホテルとショッピングビルが建ち並ぶ、バレッタのむかいのスリーマ。それからお隣の島ゴゾー(マルタ領)のラバト。そのくらいではないだろうか。

そのなかでもバレッタは歴史的遺跡を数多く集める場所で、町全体がユネスコの世界遺産に指定されている。前回のエントリで対岸のスリーマからバレッタをのぞむ写真をのっけたが、とにかく町全体が古い要塞城のようになっている。それもそのはず、そもそも16世紀にオスマン帝国との戦争の拠点として築かれたのがバレッタなのだ。対オスマン帝国戦で活躍した聖ヨハネ騎士団に拠点都市として与えられた聖都という、どっかの厨二漫画かなんかの舞台にでもなりそうな設定の町である(なんて言うと西欧中世・近世史の人に失笑されるなあ。中近世の聖騎士団そのものは別に厨二な存在ではないんだよ)
この聖ヨハネ騎士団の騎士団総長が建てた、聖ヨハネ准司教座聖堂が本日の最初のお目当てとなる。ところでホテルの集中するスリーマから古都バレッタまでは、バスだと20分ほどかかるのだが、ボートで運河(?)をつっきると、なんと5分で着く。こんな位置関係になっているためだ





このボート、あまりたくさんは走っていないのだが、せっかくなので乗ってみることに。早いし、何よりおもしろそうだし。ちなみに値段はバスよりちょっと高かったが、2ユーロしなかったと思う。



朝日を逆光に浮かび上がるバレッタの旧都が……




しだいに近づいてきます!


なかなか趣深いので、もっと乗っていたいくらいだったが、先述の通り観光船ではないのであっというまに到着してしまう。「ああーい、着きましたよー、降りて降りてー!!」と言っている(とおぼしき)おじさんの声に急かされ、仕方なく降りる。




ちなみに船はこんな感じ




船着き場には釣り人が何人かいて、そのまわりを何匹も猫が取り囲んでいる。どうやら釣った魚をねらっているらしい! ほんとにあるんだこんなこと! あぜんとしつつ見ていると、一匹の猫がそろそろとバケツに手と足をつっこもうとして、振り返ったおっさんに「■△×○▼!」とか怒鳴られて追い払われていた。



なんともふてぶてしい顔をしている巨大猫。
向こうではしっぽを上に向けた猫が釣り人のすきをうかがっている



船着き場から階段と坂を上がると、すぐにバレッタの古い町並みに入る。全体が16、17世紀に作られたまま大きく変わっていないらしく、古さと生活感が混じり合って、それでも統一性がある。空気が乾燥しているため「匂いが立ち上ってくる」感覚はないが、独特の粉っぽい古めかしさがある。悪くない。いや、とてもいい。
(クリックで拡大)




石畳の階段。バロック様式に外に張り出した窓枠が、全部緑色に塗られている。これは市の行政がやっているのかなあ。でないとこんなに統一性は出ないよね。あ、でも右側に青と白の窓枠も見えますね……。



というところで今回は〆。次回は絢爛豪華な聖ヨハネ准司教座聖堂と地中海トカゲちゃん!!






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