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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by - 2024.05.16,Thu
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.10.18,Sat
 こないだ紹介した「play dead」(犬が死んだまねをする芸)はイギリスでもポピュラーなようです。きのうご飯食べながらテレビ見てたら、どこかの人が犬をスタジオに連れてきて死んだまねをさせていました。
 でも紹介した動画のパグほどドラマチックな演技ではありませんでした。


 それはさておき、先週の土曜日に友達の結婚式があり、出席しました。
 なんとわたしは日本で結婚式に行った事がなかったので、人生初の結婚式がイギリスでのものとなりました。
 なんか勝手が分からないのでわりと緊張して行ったのですが(そのわりには遅刻ぎりぎりの上、道に迷って近くの人に聞きまくった)、すごい楽しかったですよ。
 地元の小さめの教会での式でした。わたしはあまり背が高くないので、花嫁さん(友人)がすげーちょっとしか見えませんでした。人の間からチラリチラリ程度。でもちょっと古風なウェディングドレス着てて、ものすごい可愛かったですよ。わたしは結婚式とか花嫁衣装とかカナリ興味ないほうですが(自分で着ることはまずないだろうと思っている)、そんなわたしにすら「いやあウェディングドレスっていいもんだね」と思わせる、致死量の可愛さでした。たぶんレトロな感じがわたしの好みに合ってたんだろうなあ、、、

 指輪の交換とかもしてた感じですが、わたしは最後列に近い位置にいたので、牧師さんのアナウンスを聞いてるだけでした。
 賛美歌をいくつか歌い、いろいろな儀式が終わったあと、余興というか訓戒話みたいなコーナーになって、そこで「韓国のおとぎ話(というかparable。仏教の説話のような寓話」が朗読されていたのが印象的でした。


 ある善人が天国に行く前に、地獄を覗いてみたいと神様に申し出た。神様がそれをおゆるしになったので、かれは地獄におもむき、門を開いて中を覗き見た。すると中にあったのは豪華絢爛な大広間で、食卓の上に数々のごちそうが山と並び、その前に人々が座っていた。だが、人々はみな痩せ細り、顔は地獄の苦しみに惨めに歪んでいる。なぜかといえば、彼らが手にしている箸があまりに長すぎて、みごとなごちそうを目の前にしながら、一口たりとて自分の口の中に入れられないのだった。それゆえに人々は泣き苦しんでいるのだ。
 その様子をのぞいていた男は、地獄とは恐ろしいところだと思い、天国へむかった。天国の扉をくぐった彼の目の前にひらけていたのは、なんと、まったく同じ大広間の光景だった。長いテーブルも、そのうえに並んでいるごちそうも、寸分たがわず地獄のそれと一緒である。さらには、人々が手にしている箸の長さまで地獄と同じなのだった。ところがどうしたことであろうか。この食卓に着いている人はみな笑顔で、この上もない幸せに顔をほころばせ、なごやかに楽しく歓談しあっている。なぜか。よく見れば、彼らはその、自分の口には食べ物を入れる事のできない長い長い箸でもって、食べ物をつまみ、テーブルの向かいにいる人の口へと運んであげているのであった。それをみながやっているものだから、天国の住人はみな、目の前に並んでいるごちそうを好きなだけ楽しむことができるのだった。
 天国と地獄とは、そうしたものなのである。


 こんな内容でした。ちなみにわたしはこれ、聞いたことがあったか、読んだことのあるお話だったよ。わりと有名なんでしょうか? 韓国の寓話だったのね。中国かと思ってた。
 まあ、教訓にまとめちゃえば「他人に尽くす事が自分の幸せにつながりますよ」ってことでつまんないんだけど、わたし実はこの訓話とか宗教寓話というものがけっこう好きなんですね。イソップの寓話(fable)も好きです。教訓臭ぷんぷんだけど、あの羊がしゃべったりリンゴがしゃべったりするあたりが可愛いじゃないですか。
 で、イソップも訓話・寓話もそうだけど、こういう話って「単なる教訓」にまとめられてしまうと失われる独特な味みたいのが漂っている気がします。教訓部分だけ読んでもケッて感じだけど、物語として聞くと「よくできてるなあ」と感心する。
 まあ、ともあれ、イギリスでは結婚式でこういうお話をもってきたりするんだなーというのが印象的でした。結婚する夫婦がおもにデザインした式だったので、ふたりのうちのどちらかが提案したのかな。

 午後2時半から1時間くらいの結婚式のあと、みんなで写真取ったり、花嫁さんが写真取られまくったりして、そのあとに新婚さん二人がアイボリーのリムジンみたいなのに乗って、車の後ろにぶら下がった空き缶カラカラ言わせながら、レセプション会場へ移動してゆきました。わーすごい! ほんとにやるんだ! て思った。空き缶。映画みたいで可愛かった。
 そのあと3・4時間、身内のレセプションがあって(これにはわたしは出ていない)、夜の8時からパーティ。こちらはかなりカジュアルで、みんな好き勝手に飲んだり踊ったりしてる感じ。印象的だったのは「チョコレートの噴水」が出てたことですね。なんか2mくらいある噴水からひっきりなしにチョコレートクリームが流れ落ちてて、そこにマシュマロとかフルーツとか突っ込んで食べるの。チーズフォンデュのチョコレート版みたいな感じです。しかしこれ用意するの高そうだな、、、
 ケーキカットもこのパーティででした。ケーキは花嫁さんのおばさん二人と、花婿さんのおかあさんという三人の手作りで、フルーツケーキ二層にチョコレートケーキ一層の、あわせて三層だてでした。ウェディングケーキって超甘い印象があったんだけど、意外と渋めな味でけっこうおいしかったです。ていうかそのへんで買うケーキよりおいしかったぞ。

 総じて言うと、予想してたのよりだいぶんカジュアルな印象でした。まあ、冠婚葬祭だとか儀礼的なイベントってイギリスのほうが日本よりずっと格式ばっていない印象がありますけどね。服装もすっごいおしゃれしてる人からかなり普段着な人までいろいろで、男の人だとネクタイしてない人もたくさんいたし、別な友人の連れ合いさんは真っ赤なシャツと黒いジャケットでどう見てもホストみたいな格好でした。ピアスもいつもどおり10個くらいつけたまんまだったし。(だけど赤んぼうがいるのでパーティ会場の隅でおしめ替えたりしてた)
 女の人もすごい普段着っぽい人いたなあ。靴も革靴ならなんでもいいって感じでした。わたしは母親から奪ったミッドセンチュアリ―な感じの絹のワンピースの上に、カシミヤのショールを羽織るという感じで行きましたが、まあ、べつに浮いてはいなかったみたいです。よかった。ていうかあの結婚式の雰囲気ならどんな格好してても浮かない気がする。式にウィンドブレーカーを着て出席してる人がいたのにはさすがにたまげたぜ。
 というわけで、イギリスで結婚式を目前にして「何着てったらいいのかしら……」と不安になっている人なぞもしいましたら、わりと適当でいいと思いますよと。まあ、招待状のドレスコードにすごいフォーマルなこと書いてあれば別ですが。

 あと、お祝いのお金やギフトですが、イギリスには結婚式に「直接お金を包んで持っていく」という習慣はないようです。多くの場合は、招待状に「結婚祝いにこんなものもらったらうれしいなー」という物品のリストが書いてあります(なんと合理的。合理的すぎる気もする)。まあでも、わたしが行った式はカジュアルな雰囲気だったので、何も持って行かなくても全然オッケーでした。わたしは数日前に花嫁さんの子とごはんを食べたときに、日本の老舗の文房具屋さんの折り紙セットをあげました。こっちに10年住んでる友人に聞いたら、「それでいいんじゃない?」とのことで、その折り紙セットが結婚ギフトのかわり。当日は何も持って行ってません。

 でも日本の結婚式ってもっとちゃんとしなきゃいけないんだろうなあ。帰国して出る機会があったら神経使いそうだ……わたし抜けてるから気をつけなきゃなあ。

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