本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.11.09,Sun
自分の英語作文力のおそまつさに絶望した! 絶望した!
いまさらって感じですが、そんなわけで絶望をおぼえたので、最近論文複写を英作文トレーニングとして始めました。自分の領域に近そうな、かつ文章が読みやすくていいなーと思う論文を、ひたすら複写するのです。論文一本丸々やろうと思うと死ぬまで終わらないので、一日30分と時間を決めて、とりあえず毎日続けるということで、先週開始しました。んまあ開始して四日目くらいですでにやり忘れたけど。駄目じゃん! よりによって三日で忘れなくても! 三日坊主がベタすぎるだろ!
英語でものを書くときの自然なリズムみたいなものが、少しずつでも身に付いたらいいなーと思ってやり始めたトレーニングです。
毎日毎日ひたすら英語を読んでると、「あ、この文章は第一言語が英語じゃない人が書いてるな」ってのがなんとなくわかるようになります。で、そういう「外国語として書かれた英語論文」には二種類あります。ひとつは、内容が難しくても文法構造が基本に忠実でわかりやすいため、ネイティブの人の文よりむしろ読みやすい文章。そして、英語としてのリズムや構成が不自然なので、読むさいに息がつけず、異様に読みづらい文章です。ちなみに後者は、査読を経た人文社会系の学術論文くらいのレベルになるとさすがに少ないですが、たまに採点する学部生のレポートくらいだとけっこうあります。そして、わたしもしょっちゅう後者のような文章を書いて指導教官に「なんだこれ読みづらいなー」って思われてる嫌な自信が激烈にある。あとで見返すと、自分ですら一読して意味がわからなかったりするもん。
だから自然なリズムというのが自分の英文でも必要だなーと思うにいたったのですね……、
余談ですが、たまに外国語として書かれた英語文章について「高校生レベルの英単語と文法しか使ってない」と言って(自分の文であれ他人の文であれ)卑下する発言を聞くことがあります。けれども、じっさいのとこ英作文の上達のレベルとしては、経験と想像から語ってみるに
1. 日本語で考えて英語に翻訳しようとする ←わたしは留学前ココ
↓
2. 英語で考えはじめたが、使える単語と構文が少なすぎて何も書けない ←留学当初ココ
↓
3. 難しいことを言おうとして意味不明な文を書く ←わたしは今ココ
↓
4. シンプルな単語を適切な文脈で用いた自然な文が書ける
↓
(超えがたいハードル)
↓
5. 英語の美文が書ける
となる気がします。つまり、高校生レベルの英単語しか使ってないのは、それで言いたい事が的確に言えているかぎり(ここ重要)、けっして悪い事じゃないんだよ…… 難しい単語を使ってても英語として不自然な文章の方が、「下手な書き手」の印象を与えるように思います。
そんでもって、さすがに博士論文として提出する文章は最低「4」レベルじゃなきゃいけないので、できるだけ自然なリズムと言い回しを身につけるべく、トレーニングを始めたわけです。
プロセスとしては以下のような感じ
- まっさらなテキストファイルを立ち上げる 自分はマックなのでTextedit
- 論文から複写によさそうな段落をピックアップ。固有名詞や数字がたくさん入っているような、あまりに特殊具体的すぎる文章はパス。
- ワンセンテンスをじっくりと注意深く、一度か二度、読む。
- 原テキストを見ないで、頭に浮かべた内容から、もとの文章を再現するべくタイプする。
- 自分が再現した文章と、原テキストの文章を差異を確認する。文法的、言い回し的にまちがっていない差異は無視する。
- もう一度、原テキストを見ないで書いてみる。
- これを、文法や言い回しのまちがいがなくなり、ほぼ同じ構文で原文が再現されるまで繰り返す。
- 次のセンテンスに進む。
ちなみに自分で編み出した英作文トレーニング法なので、どんだけ効力があるかはしらない。ただ、日本でも小説家志望の人が文章のくせを直したり表現法を広げるためのトレーニングとしてプロ小説の複写をやるって聞いたことがあったので、それを参考にした感じです。
このトレーニングをやってて気づくのは、リズムの問題もあるんですが、それ以上に単数複数の再現と冠詞と定冠詞、すなわちaやanやtheのあるなしが、ほんと再現できていないということです。日本語は単数複数を区別しない言語なので、その中で生まれ育ってしまったわたしたちは、文章の内容を記憶しよう把握しようとするときに、単数複数や定冠詞のあるなしをそもそも概念化できないのですね。リンゴとかエンピツならわかりやすいですが、難しいのは抽象的な単語です。たった10秒前に読んだ文章なのに、たとえばpolarisationという単語にtheがついていたかどうか、あるいは複数だったかどうかが思い出せないんです。
以前に日本から来た学生を指導したことのある教官に聞くと、これはわたしだけではなく、日本から来た留学生に共通してみられる傾向だそうです。むう、第一言語の力ってのはすごいですなあ。思考回路や記憶回路のいちばんディープなレベルに影響している気がする。
あと、このトレーニングで気がつくようになったのは、前置詞とか慣用句です。この意味だとofなのかonなのかとか、あーこの動詞だと後ろにtoつけないとぜんぜん違う意味になるんだなあとか、もうほんと基礎レベルのことなんですが。意外と身に付いてない。
めんどくさいですが、とりあえずがんばって続けてみますよ! 二ヶ月続けたらちょっとは効果が出てくるやもしれません。
いまさらって感じですが、そんなわけで絶望をおぼえたので、最近論文複写を英作文トレーニングとして始めました。自分の領域に近そうな、かつ文章が読みやすくていいなーと思う論文を、ひたすら複写するのです。論文一本丸々やろうと思うと死ぬまで終わらないので、一日30分と時間を決めて、とりあえず毎日続けるということで、先週開始しました。んまあ開始して四日目くらいですでにやり忘れたけど。駄目じゃん! よりによって三日で忘れなくても! 三日坊主がベタすぎるだろ!
英語でものを書くときの自然なリズムみたいなものが、少しずつでも身に付いたらいいなーと思ってやり始めたトレーニングです。
毎日毎日ひたすら英語を読んでると、「あ、この文章は第一言語が英語じゃない人が書いてるな」ってのがなんとなくわかるようになります。で、そういう「外国語として書かれた英語論文」には二種類あります。ひとつは、内容が難しくても文法構造が基本に忠実でわかりやすいため、ネイティブの人の文よりむしろ読みやすい文章。そして、英語としてのリズムや構成が不自然なので、読むさいに息がつけず、異様に読みづらい文章です。ちなみに後者は、査読を経た人文社会系の学術論文くらいのレベルになるとさすがに少ないですが、たまに採点する学部生のレポートくらいだとけっこうあります。そして、わたしもしょっちゅう後者のような文章を書いて指導教官に「なんだこれ読みづらいなー」って思われてる嫌な自信が激烈にある。あとで見返すと、自分ですら一読して意味がわからなかったりするもん。
だから自然なリズムというのが自分の英文でも必要だなーと思うにいたったのですね……、
余談ですが、たまに外国語として書かれた英語文章について「高校生レベルの英単語と文法しか使ってない」と言って(自分の文であれ他人の文であれ)卑下する発言を聞くことがあります。けれども、じっさいのとこ英作文の上達のレベルとしては、経験と想像から語ってみるに
1. 日本語で考えて英語に翻訳しようとする ←わたしは留学前ココ
↓
2. 英語で考えはじめたが、使える単語と構文が少なすぎて何も書けない ←留学当初ココ
↓
3. 難しいことを言おうとして意味不明な文を書く ←わたしは今ココ
↓
4. シンプルな単語を適切な文脈で用いた自然な文が書ける
↓
(超えがたいハードル)
↓
5. 英語の美文が書ける
となる気がします。つまり、高校生レベルの英単語しか使ってないのは、それで言いたい事が的確に言えているかぎり(ここ重要)、けっして悪い事じゃないんだよ…… 難しい単語を使ってても英語として不自然な文章の方が、「下手な書き手」の印象を与えるように思います。
そんでもって、さすがに博士論文として提出する文章は最低「4」レベルじゃなきゃいけないので、できるだけ自然なリズムと言い回しを身につけるべく、トレーニングを始めたわけです。
プロセスとしては以下のような感じ
- まっさらなテキストファイルを立ち上げる 自分はマックなのでTextedit
- 論文から複写によさそうな段落をピックアップ。固有名詞や数字がたくさん入っているような、あまりに特殊具体的すぎる文章はパス。
- ワンセンテンスをじっくりと注意深く、一度か二度、読む。
- 原テキストを見ないで、頭に浮かべた内容から、もとの文章を再現するべくタイプする。
- 自分が再現した文章と、原テキストの文章を差異を確認する。文法的、言い回し的にまちがっていない差異は無視する。
- もう一度、原テキストを見ないで書いてみる。
- これを、文法や言い回しのまちがいがなくなり、ほぼ同じ構文で原文が再現されるまで繰り返す。
- 次のセンテンスに進む。
ちなみに自分で編み出した英作文トレーニング法なので、どんだけ効力があるかはしらない。ただ、日本でも小説家志望の人が文章のくせを直したり表現法を広げるためのトレーニングとしてプロ小説の複写をやるって聞いたことがあったので、それを参考にした感じです。
このトレーニングをやってて気づくのは、リズムの問題もあるんですが、それ以上に単数複数の再現と冠詞と定冠詞、すなわちaやanやtheのあるなしが、ほんと再現できていないということです。日本語は単数複数を区別しない言語なので、その中で生まれ育ってしまったわたしたちは、文章の内容を記憶しよう把握しようとするときに、単数複数や定冠詞のあるなしをそもそも概念化できないのですね。リンゴとかエンピツならわかりやすいですが、難しいのは抽象的な単語です。たった10秒前に読んだ文章なのに、たとえばpolarisationという単語にtheがついていたかどうか、あるいは複数だったかどうかが思い出せないんです。
以前に日本から来た学生を指導したことのある教官に聞くと、これはわたしだけではなく、日本から来た留学生に共通してみられる傾向だそうです。むう、第一言語の力ってのはすごいですなあ。思考回路や記憶回路のいちばんディープなレベルに影響している気がする。
あと、このトレーニングで気がつくようになったのは、前置詞とか慣用句です。この意味だとofなのかonなのかとか、あーこの動詞だと後ろにtoつけないとぜんぜん違う意味になるんだなあとか、もうほんと基礎レベルのことなんですが。意外と身に付いてない。
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怠け者のちいさなやもりですが色々ぶつぶつ言うのは好きなようです。
時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
A tiny lazy gecko (=yamori) always mumbling something
Please excuse my poor English -- I am still under training
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