本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.11.04,Tue
部屋がとても寒く、湯たんぽと室内履きが大活躍です。
うちの学部では博士課程の学生には院生部屋が与えられるんですが、そこはガンガンに暖房が効いているので、最近はもっぱら大学で執筆しています。六畳くらいの小さな部屋をもう一人の学生さんと共有しています。こういう待遇はイギリスの大学でもほんとうに場所によるようで、うちの学部は比較的ラッキーなほうなのかなーと思います。話を聞くと、博士課程の学生が大部屋にまとめて20人入れられるとかそういう学部もあるようです。でも去年までいた部屋は、6人部屋でパソコンが3つしかないとか、そんな感じだったけどね……しかも学部が貧乏だからプリンタがまた古くて、10枚印刷するごとに詰まってた。紙が。
今の部屋はじつは指導教官の隣の部屋なので、いいような悪いような……捕まえたいときにはすぐに捕まえられますが、書いたものの出来に自信がないときは、顔を合わせるのが気まずいです。
あと、とつぜん変な用を申し付けられることがあります。このあいだは指導教官がとつぜん体調を崩したというところにばったり出くわし、講義の始まる1時間前に資料とノートを渡され「代わりにやって」と頼まれ、死ぬかと思いました。まあ修士の講義なんで学生の数少ないし、みんな理解はあるしで、まあなんとかなったんですが(バイトとしてお金出たんで臨時収入だったし)。でもあまりの緊張で講義終わった直後に猛烈な吐き気に襲われました。大丈夫か自分。
わたしは基本的に極度の夜型で、いまはだいたい12時〜2時に大学に行って、9時とか10時に帰ってくる生活です。とはいえもちろん8時間9時間ぶっつづけで読みっぱなし書きっぱなしなわけではなく、たいてい間に数時間、人と雑談してるんだけどね。つーか今日はひたすら長く大学にいたわりには全然やってないぞ(いつものこと)何やってたんだろう……
朝10時に始め、夜7時に一日の読書・執筆を終わらせ、そのあと寝るまでダラダラするっていうのが長いこと理想なんですが、ここ数年ちっとも実現しませんね。夜9時とかになっても一日きちんと研究を進めた気がまったくしないので、だいたい毎日「この論文読もう」とか「この章最後まで書き上げよう」とか思って家にいろいろ持ち帰るんですが、部屋が寒いためにベッドのなかでパソコンに向かうはめになり、そうするとなんとなーく気分がだらけて、ネットで動画見ちゃったりとダメダメです。いや寒いからだから。寒いからだから!けして人間の本質が怠惰なわけじゃないから
というわけで、すいませんキモエントリ続行です。というかマンオンワイヤーが来年に日本でも公開されるらしいので、感想あげとこうと思ってるんだけど、うんそれは数日中に。
富野由悠季のロングインタビューがオンラインで上がっていたので、見てみました。いろいろ興味深いですね。
感じた事その1:ルネッサンス時代からクリエイターや表現者(画家や音楽家など)はつねに経済的援助をしてくれるパトロン(当時は王侯貴族)の意向と、自分のやりたいこと表現したい事の板ばさみだったわけですけど、この富野という人はそれとまったく同じ構造を現代サブカルチャー領域においてこの上なく体現してる人なのかなーと。名が知れてるわりには、金の都合で好きな事ができない鬱憤を抱えまくってるというか。ごついルサンチマンがとても人間臭いです。宮崎駿とかはこの人より比較的資本の圧力から自由にものを作ってる気がしますが、うーん、いや内実わからんけど。やっぱりカンヌ映画祭常連とかいうレベルにならんと好き放題にアニメを作ることはできんのだなあ。
感じた事その2:スピルバーグとかジョージルーカスみたいな、とにかく大衆受けする作品を作りたくて作りたくてたまらなかった(今でも作りたい)という発言が意外でした。この人の作るものそんなに知っているわけじゃないですが、大人も子供も男も女も喜ぶ超話題作品とかいうのとは、かなり違うような。マニア向けってわけでもないけど、なんと言ったらいいのだろう。とりあえず夢として想い描いているものと、現実につくってるもののカラーが違いすぎる気がします。まあ、違ってよかったけど。この人の物語造形と台詞回しのセンスでは、スピルバーグとジョージルーカス系は無理だろう。「認めたくないものだな 若さゆえのあやまちというものを」に「分かりにくい台詞はやめろ」という苦情が殺到したというのが笑いました。
感じた事その3:目標がむやみにでかい人というか、夢見がちで熱い人だなーという印象でした。もうおじいさんなんだけど。ガンダムなんていう作品をつくりながら、「改憲論者のような人間が出てしまうことに、自分の作品の影響力の限界を感じる」と言いきってしまえるところに、この世代ならではのロマンチストぶりを感じた気がします。良い意味でも悪い意味でも。つーか驚いた。熱いというか、正直すぎるだろう。
たしかに「いやーしょせん子供向けアニメですよ。戦争なんか語れるわけないですよはっはっはっ」とか言われたら幻滅はしそうな気がする。しかしなあ、ニュータイプとかサイコパワーの話だぞ。いやま漫画版ナウシカもかなり宗教がかってるけどさ……、
うちの学部では博士課程の学生には院生部屋が与えられるんですが、そこはガンガンに暖房が効いているので、最近はもっぱら大学で執筆しています。六畳くらいの小さな部屋をもう一人の学生さんと共有しています。こういう待遇はイギリスの大学でもほんとうに場所によるようで、うちの学部は比較的ラッキーなほうなのかなーと思います。話を聞くと、博士課程の学生が大部屋にまとめて20人入れられるとかそういう学部もあるようです。でも去年までいた部屋は、6人部屋でパソコンが3つしかないとか、そんな感じだったけどね……しかも学部が貧乏だからプリンタがまた古くて、10枚印刷するごとに詰まってた。紙が。
今の部屋はじつは指導教官の隣の部屋なので、いいような悪いような……捕まえたいときにはすぐに捕まえられますが、書いたものの出来に自信がないときは、顔を合わせるのが気まずいです。
あと、とつぜん変な用を申し付けられることがあります。このあいだは指導教官がとつぜん体調を崩したというところにばったり出くわし、講義の始まる1時間前に資料とノートを渡され「代わりにやって」と頼まれ、死ぬかと思いました。まあ修士の講義なんで学生の数少ないし、みんな理解はあるしで、まあなんとかなったんですが(バイトとしてお金出たんで臨時収入だったし)。でもあまりの緊張で講義終わった直後に猛烈な吐き気に襲われました。大丈夫か自分。
わたしは基本的に極度の夜型で、いまはだいたい12時〜2時に大学に行って、9時とか10時に帰ってくる生活です。とはいえもちろん8時間9時間ぶっつづけで読みっぱなし書きっぱなしなわけではなく、たいてい間に数時間、人と雑談してるんだけどね。つーか今日はひたすら長く大学にいたわりには全然やってないぞ(いつものこと)何やってたんだろう……
朝10時に始め、夜7時に一日の読書・執筆を終わらせ、そのあと寝るまでダラダラするっていうのが長いこと理想なんですが、ここ数年ちっとも実現しませんね。夜9時とかになっても一日きちんと研究を進めた気がまったくしないので、だいたい毎日「この論文読もう」とか「この章最後まで書き上げよう」とか思って家にいろいろ持ち帰るんですが、部屋が寒いためにベッドのなかでパソコンに向かうはめになり、そうするとなんとなーく気分がだらけて、ネットで動画見ちゃったりとダメダメです。いや寒いからだから。寒いからだから!けして人間の本質が怠惰なわけじゃないから
というわけで、すいませんキモエントリ続行です。というかマンオンワイヤーが来年に日本でも公開されるらしいので、感想あげとこうと思ってるんだけど、うんそれは数日中に。
富野由悠季のロングインタビューがオンラインで上がっていたので、見てみました。いろいろ興味深いですね。
感じた事その1:ルネッサンス時代からクリエイターや表現者(画家や音楽家など)はつねに経済的援助をしてくれるパトロン(当時は王侯貴族)の意向と、自分のやりたいこと表現したい事の板ばさみだったわけですけど、この富野という人はそれとまったく同じ構造を現代サブカルチャー領域においてこの上なく体現してる人なのかなーと。名が知れてるわりには、金の都合で好きな事ができない鬱憤を抱えまくってるというか。ごついルサンチマンがとても人間臭いです。宮崎駿とかはこの人より比較的資本の圧力から自由にものを作ってる気がしますが、うーん、いや内実わからんけど。やっぱりカンヌ映画祭常連とかいうレベルにならんと好き放題にアニメを作ることはできんのだなあ。
感じた事その2:スピルバーグとかジョージルーカスみたいな、とにかく大衆受けする作品を作りたくて作りたくてたまらなかった(今でも作りたい)という発言が意外でした。この人の作るものそんなに知っているわけじゃないですが、大人も子供も男も女も喜ぶ超話題作品とかいうのとは、かなり違うような。マニア向けってわけでもないけど、なんと言ったらいいのだろう。とりあえず夢として想い描いているものと、現実につくってるもののカラーが違いすぎる気がします。まあ、違ってよかったけど。この人の物語造形と台詞回しのセンスでは、スピルバーグとジョージルーカス系は無理だろう。「認めたくないものだな 若さゆえのあやまちというものを」に「分かりにくい台詞はやめろ」という苦情が殺到したというのが笑いました。
感じた事その3:目標がむやみにでかい人というか、夢見がちで熱い人だなーという印象でした。もうおじいさんなんだけど。ガンダムなんていう作品をつくりながら、「改憲論者のような人間が出てしまうことに、自分の作品の影響力の限界を感じる」と言いきってしまえるところに、この世代ならではのロマンチストぶりを感じた気がします。良い意味でも悪い意味でも。つーか驚いた。熱いというか、正直すぎるだろう。
たしかに「いやーしょせん子供向けアニメですよ。戦争なんか語れるわけないですよはっはっはっ」とか言われたら幻滅はしそうな気がする。しかしなあ、ニュータイプとかサイコパワーの話だぞ。いやま漫画版ナウシカもかなり宗教がかってるけどさ……、
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時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
A tiny lazy gecko (=yamori) always mumbling something
Please excuse my poor English -- I am still under training
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