本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.04.25,Wed
Das Leben der Anderen(2006、邦題『善き人のためのソナタ』)いまさっき見てきたところです。
あんまり面白かったのでエントリしてしまうよ。今日は感想をなぐり書きで。レビューはまた後日書きます。こう言っておかないと書かないので。(こう言っておいてもレビューを書かなかったことばかりだけど)
かの悪名高きシュタージ、すなわち旧東ドイツにおける国家監視システムをテーマに、ある劇作家とその恋人と、それを24時間監視するエージェントの関係性を描いた映画です。まあ、そんなストーリーなので政治性はどこまでも論じえてしまいますが、サスペンスすなわち娯楽映画としてはすっごく良質でした。人間の書き込みが良かったです。
もしかして娯楽映画の醍醐味って、すでにパロディ的笑いとフェチ的快楽にしかないのではないかと昨今ちらりと思っていたのですが、それをいい意味でひっくり返してくれる作品でした。
わりと派手な展開なのに演出を地味目に抑えているところがよかったのかもしれません。わたし映画とかドラマのドドーンっていう効果音ほんとにダメなんですよ。いい映画でも一気に冷めてしまう。一例は『カンダハール』。主人公が死体を発見したときのドドーンという効果音で引きました・・・。もしかしてギャグで入れてたのかなアレ。
しかしながら笑いの介在する余地のないショックと、ドドーン、ババーンという演出というのは、そもそも折り合いが悪いのですよ。それでもパロディ的笑いとフェチ的快楽を追求して見る映画の場合は、いかにドドーンが入ろうがババーンが入ろうが許せるというのが上の段落の言わんとしてるところ。
話がズレました。とりあえずサスペンス映画として良かったポイントのひとつは、先が読みにくいというところだったんですが、それを助けていたのはたぶんに主人公というのか、メインキャラクターである監視エージェントの役者だなと思った。ポーカーフェイスと、内心の変化をうかがわせるごくごくわずかな表情とかに良質な演技を見ました。
あ、アカデミー賞の外国語映画賞取ってるんですね・・・まあ、アカデミー賞の方向性とそこまでズレる作品でもないので不思議はないか。それにしても、アカデミー賞って信用なるんだかならないんだかホントわかんないです。タイタニックを見た人間としては、「あ、オスカー取ってるんだ。見るのやめよ」に近いものが正直あるんですが、いまいち掴めない。
日本でも公開中みたいですね。
コチラは日本語公式HPですが、なんだこのキャッチコピー・・・。なんでこんな風になっちゃうの?正直言うと『善き人のためのソナタ』というこの邦題もあんまり・・・。なんかむやみにメロドラマチックでないですか。それこそ「愛と自由のために大敵に果敢にも立ち向かう」みたいに聞こえてしまう。
てかヘルツォークの絶賛という言葉に笑った。ヘルツォークは天才監督であるとは思うが、それ以前に変人だし、奴に褒められてもなあ・・・。ねえ。
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時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
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