本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.12.23,Tue
あんまりブクログに書くことがないのもアレだなあと思い、趣味関連だけでなく日ごろ研究関係で読んでるものも追加していくことにしようとポチポチやっているのだが、どうも一行感想のはずのものが長くなりすぎて困る。ちなみにこないだ上げた「眼球譚」も本当はブクログに上げるつもりで書いた。でも書きたいこと書いてるうちにすげー長くなってしまったのでブログ行き。あのブクログの仕様だと長文レビューは見にくいんだよね。
で、今日もD論執筆の息抜きにと思ってミニ感想を書き始めたら、例によって長くなっちゃったのでこちらに来た。ていうか最初から短く収める気なさすぎだよあんた。(と自分に言った)
そいでもって書いた本はこれですよ。すでに古典ですね。
で、今日もD論執筆の息抜きにと思ってミニ感想を書き始めたら、例によって長くなっちゃったのでこちらに来た。ていうか最初から短く収める気なさすぎだよあんた。(と自分に言った)
そいでもって書いた本はこれですよ。すでに古典ですね。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.12.20,Sat
わたしは書物につけても音楽につけても理論につけても、ある一つのものにガァンとやられてしまうたちだ。「それ」に遭遇してしばらくは、まるで魔物にでも憑かれたかのように、「それ」のことばかり考えつづける。「それ」によってもたらされた世界観や価値観、美的感覚が、世の中すべてに当てはまるような気がしてしまう。
そんな憑依状態は長くは続かない。せいぜい数ヶ月、長くて数年だ。嵐のようにやってきては沈静化していくそれらの大波は、だがわたしのライフストーリーをしるしづける道しるべとなる。本棚にそのタイトルを見つけるたび、わたしはそこで描かれたものに頭の先まで浸かっていた一時期を、懐かしさとこそばゆさが入り交じった感覚とともに思い出す。
そんな憑依状態は長くは続かない。せいぜい数ヶ月、長くて数年だ。嵐のようにやってきては沈静化していくそれらの大波は、だがわたしのライフストーリーをしるしづける道しるべとなる。本棚にそのタイトルを見つけるたび、わたしはそこで描かれたものに頭の先まで浸かっていた一時期を、懐かしさとこそばゆさが入り交じった感覚とともに思い出す。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.11.07,Fri
最近毎日のように通っているウェブサイトです。
19世紀末から20世紀前半にかけてのヨーロッパの「挿絵画の黄金期」に活躍した画家の作品を数多く集めているサイト。ワイルドの『サロメ』の挿絵で知られるオーブリー・ビアズリーや、ダンテ『神曲』やミルトン『失楽園』の挿絵を描いたギュスターヴ・ドレをはじめ、カイ・ニールセン、アーサー・ラッカム、エドムンド・デュラックといったギフトブックの挿絵画家たちの作品を、高画質でたくさん見ることができます。
(ギフトブックとはその名の通り「贈り物の本」で、literary annualとも呼ばれ、イギリスでは秋からクリスマスのシーズンにかけてよく売り出されます。欧米のほかの国でもあるのかな? 手のこんだきれいな挿絵だとか、高画質の写真などがたくさん収められた「読む」というよりは「眺める」ための本。子供向けではなく一般向けのものも多いです)
この黄金期の背景には、1880年代にヨーロッパで印刷技術のさらなる革新があって、イラストを高画質で大量に複製することが可能になったという技術史事情があるようです。それによって、精密な挿絵のついた本がたくさん出版されたんですね。
考えてみればこの時期は、19世紀なかばからブームになった大陸ヨーロッパの象徴主義だとか(ギュスターヴ・モロー)、イギリスでのラファエロ前派(ウィリアム・モリスやエドワード・バーン・ジョーンズら)の影響で、近世以前の中世的・神話的なものへの関心が高まっているころですね。文学でもW.B.イェイツなんかの象徴主義がさかんですし、さらなる高まりを見せるナショナリズムとの絡みで、民話の発掘も各国でひきつづきさかんに行われているころです。それと上の技術史事情とがからまりあって、いろんな童話やおとぎ話が、オリエンタリズムやアールヌーヴォーの影響を色濃く受けた精巧な絵とともに、ヨーロッパで多くの人に紹介されていった、という感じなのかな。
ちなみにギュスターヴ・モローはこんな感じの絵を描く人です。
バーン・ジョーンズはこんな。
上のカイ・ニールセンはデンマーク生まれで、イギリスで活躍した挿絵画家らしいです。ビアズリーの影響を強く受けているんだとか。なんだか日本風になったり、インド風になったりと、傾向がいろんなところにいってる人みたいですが、とりあえず東洋趣味が強そうだなあという気がしますね。ちなみにビアズリーも日本の春画の影響を強く受けているんだそうです。
下のアーサー・ラッカムは、もう少しヴィクトリアンでロマンチックな絵を描くようです。それでも色調の暗さと水彩画らしいおぼろげな感じが独特の渋さと味わいを出しているような気がします。
ちょっとファンタジックというか乙女チックで小恥ずかしいけど、綺麗は綺麗ですなー。
19世紀末から20世紀前半にかけてのヨーロッパの「挿絵画の黄金期」に活躍した画家の作品を数多く集めているサイト。ワイルドの『サロメ』の挿絵で知られるオーブリー・ビアズリーや、ダンテ『神曲』やミルトン『失楽園』の挿絵を描いたギュスターヴ・ドレをはじめ、カイ・ニールセン、アーサー・ラッカム、エドムンド・デュラックといったギフトブックの挿絵画家たちの作品を、高画質でたくさん見ることができます。
(ギフトブックとはその名の通り「贈り物の本」で、literary annualとも呼ばれ、イギリスでは秋からクリスマスのシーズンにかけてよく売り出されます。欧米のほかの国でもあるのかな? 手のこんだきれいな挿絵だとか、高画質の写真などがたくさん収められた「読む」というよりは「眺める」ための本。子供向けではなく一般向けのものも多いです)
この黄金期の背景には、1880年代にヨーロッパで印刷技術のさらなる革新があって、イラストを高画質で大量に複製することが可能になったという技術史事情があるようです。それによって、精密な挿絵のついた本がたくさん出版されたんですね。
考えてみればこの時期は、19世紀なかばからブームになった大陸ヨーロッパの象徴主義だとか(ギュスターヴ・モロー)、イギリスでのラファエロ前派(ウィリアム・モリスやエドワード・バーン・ジョーンズら)の影響で、近世以前の中世的・神話的なものへの関心が高まっているころですね。文学でもW.B.イェイツなんかの象徴主義がさかんですし、さらなる高まりを見せるナショナリズムとの絡みで、民話の発掘も各国でひきつづきさかんに行われているころです。それと上の技術史事情とがからまりあって、いろんな童話やおとぎ話が、オリエンタリズムやアールヌーヴォーの影響を色濃く受けた精巧な絵とともに、ヨーロッパで多くの人に紹介されていった、という感じなのかな。
ちなみにギュスターヴ・モローはこんな感じの絵を描く人です。
バーン・ジョーンズはこんな。
上のカイ・ニールセンはデンマーク生まれで、イギリスで活躍した挿絵画家らしいです。ビアズリーの影響を強く受けているんだとか。なんだか日本風になったり、インド風になったりと、傾向がいろんなところにいってる人みたいですが、とりあえず東洋趣味が強そうだなあという気がしますね。ちなみにビアズリーも日本の春画の影響を強く受けているんだそうです。
下のアーサー・ラッカムは、もう少しヴィクトリアンでロマンチックな絵を描くようです。それでも色調の暗さと水彩画らしいおぼろげな感じが独特の渋さと味わいを出しているような気がします。
ちょっとファンタジックというか乙女チックで小恥ずかしいけど、綺麗は綺麗ですなー。
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怠け者のちいさなやもりですが色々ぶつぶつ言うのは好きなようです。
時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
A tiny lazy gecko (=yamori) always mumbling something
Please excuse my poor English -- I am still under training
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