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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.08.01,Wed
 たまには旅行先の写真などを。



 アイルランドの首都・ダブリンから車で1〜2時間ほど行ったところに、トリム城という城がある。アイルランドにおけるノルマン様式の城の代表として観光名所となっているトリム城だが、ボイン河のほとりに建つこの城の周辺には、そのほかにも多くの印象的な遺跡が点在している。
 以下の写真は今年のもの。クリックで拡大。小雨がしとしとと降り続いている日だった。





 上の写真は河をはさんで城のむかいに建つ塔の遺跡。高さにして40mに達するというこの巨大な塔は、写真でもわかるように独特の崩れ方をしており、あたかも強大な力で天からまっぷたつに引き裂かれ、その片われのみが残されたかのごとくである。遠くから見ても、近づいて見上げてみても、ドラマチックというのか印象的な遺跡である。
 もともとこの塔は1368年に建造された僧院の鐘楼で、17世紀なかばにクロムウェルの軍隊によって破壊された後、この塔だけが残ったのだという。<黄色の尖塔Yellow Steeple>とは、夕暮れどきにこの塔が黄色に染まるところから取られた呼び名という。

 下は近くの城壁門のなかからはるかに見える上記の塔。







 トリム城からボイン河に沿って少し歩くと、やはり多くの僧院や聖堂の遺跡に出くわす。13世紀のはじめに建てられ、のち、戦火のなかに破壊された建物、および18世紀に建てられ、のちになって使う者もなく放置されたなど建物など様々である。
 どこでそれぞれの写真をとったのだかよく覚えていないのだが、下は完全に廃墟となった僧院跡にかろうじて残っていた壁面彫刻のひとつ。雨風にさらされ、いまとなっては目鼻立ちもわからないが、うっすらと盛り上がる羽の造型から天使の彫刻と見てとれる。おそらく18世紀のものだったと思う。15世紀に破壊された建物なら、さすがにここまではっきりと残らないはずだ。





 キリスト教的な彫刻や建物というものは、地蔵や仏像とは異なり、いったんそれが打ち捨てられ放擲されると、涜神だの悪魔的だのという逆方向の妖しげな神秘性を色濃く帯びてくるような気がしてしまう。だが、僧院の遺跡がこうして多く残され、その近くに現在なお普通に使われている墓所なんかがあるところを見ると、それはたんに私がキリスト教の意味体系というものを小説だの映画だの漫画だのオカルチックななにがしだのから変にゆがんだ極端な形で吸収したというだけの話のようだ。
 それを認識した上でも、こう、溶けかけた彫刻というのにいわく言いがたい神秘的な印象をもってしまうのは、否定しがたいところなのである。



 最後は廃墟の近くの川沿いでぼんやり草をはんでいたポニー。





 見ているとトコトコ近寄ってきた。まっくろで優しい目をしていた。たてがみに触ろうと手を差し出したら舐められた。


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