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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.01.27,Sun
 Google Scholarがものごっつ使えることを最近痛感している。
 半年くらい前に使い始めたのだけれども、それ以前には「学術論文さがしでグーグルって危険すぎるんでは・・・」と思っていたのだ。なんというか、自分で何かを思考したり調査したりする力をどんどん削いでいくような。
 だけども、「こんな論文を探したい!」という明確な目標があるときは、JSTORとかIngenta Connectとかで探すのって効率が悪すぎることがある。探したいものがうまく出てこないことが多いのだ。最近は利用しない日がほとんどないほど、論文探しでは頼り切っている。つーかもっと早く使い始めれば良かった。遅いんだっての・・・

 ただし注意しなければならないのは、それぞれの論文の引用数(その論文を引用している他の登録論文の数)。言ってみれば、論文の「人気度」を示しているこの数だが、当然ながら有名な本や論文は優に100を超す回数で引用されている。で、引用数が高いのはすぐれた論文である確率が高いというのは確か。ただし、逆はそうでもない。引用数が少ないので「あらっ、たいしたことないのかしらこの論文・・・」と思っては絶対にいけない、ということだ。

 クリスマスから正月のあいだくらいの時期に、なんというか視界をぱあっと開いてくれるというか、「この論文を探していたんだ」と軽く感動するようなものに出会った。たぶん博士論文でも論旨の根幹にかかわってくる先行研究のひとつになると思う。さらに言えば、自分のやっている狭い領域だけにしか通用しない議論ではない。だけどその論文は、出版されてからすでに10年以上が経過しているにもかかわらず、引用された数はたったの8。もっと注目されていいよこの論文!
 その論文を紹介してくれたポスドクの人と話したら、彼女もまったく同じように考えていた様子。

 結局、なにが自分の研究にとって重要なのかというのは、自分でこつこつ読んで自分の頭で考えて判断しないといけないって話。そのあたり、グーグルスコラーで本を検索したときに出てくる「もっとも引用された回数の多いページ」とか、ファッキンこの上ないと思う。気が遠くなるほどの数の本だの論文だのを参照しなければならないような状態だと、たしかに一冊の本とか長い論文をぜんぶ網羅的に読むのはとても無理ってのはわかるんだけど、「そこだけ読んどけばいい」ってのが、章のひとつとかならまだしも、ページとか段落とかになってしまったら、思考の自立性の低下をまねくばっかりだ。
 要は、電子テクノロジーはいろいろと時間を短縮してくれて便利だけれども、つねにアナログなこつこつした作業と併用しないとろくなものが生まれないと思う、ということだね。あと、自分が信頼している人からの紹介とか口コミとかも大事。
 うーん気をつけよう。まあ、なんにでも言える話ではありますが。

 ただし、こうした話をひっくり返して考えれば、この引用数表示も、なにが関連研究領域の中で「ファッショナブル」で「流行り」なのかということを批判的に見るのには使えるなあ。自分の立場をそれと対置した場所に置くとき、「いまはやりの研究の例」として引用できるものを手っ取り早く探し当てられる気はしないでもない。ものは使いようですな。


 すいません。研究の話でした・・・関係ない人にはぜんぜん関係ない話ですよね、これ。
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