本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.01.21,Sun
英国でも何でもないがサバイバルライフにひとひらの清涼剤を
改定される前のバージョンも見たい
Stupid.com. より。
こんなの見てるわたしがまさにstupidityの権化であると認識する深夜1時半
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こんなの見てるわたしがまさにstupidityの権化であると認識する深夜1時半
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.10.12,Thu
今年の9月でMAを取って香港に帰った友達からメールが入っていました.
「ひさしぶり!Oasis Airlineはチェックした?ものすごく安くロンドン行きの航空券が手にはいるよ!」
ご存じでしょうか Oasis Hong Kong Airline。わたしはこのメールを見た数分前まで知りませんでした。この10月25日から航業開始というこの会社,なんと香港→ロンドン,ロンドン→香港チケットが片道75ポンドから買えるというすさまじい値段設定をしてきた会社です。75ポンドって,いまのレートだと16000〜17000円くらいですよ。まあ税が45ポンド程度かかるので,合計だと27000円程度になるとはいえ,恐るべき安さではないでしょうか。
4日前にロンドン行きのチケットを予約してしまっていたわたしは,このメールを見るなり久闊を叙する彼女のあたたかな言葉に目を通すのもそこそこに(ごめん,J),自分のタイミングの悪さを呪いながらこのオアシスエアラインのウェブサイトに飛んでみたわけですが,それにしても安いですよねえ。ビジネスでも470ポンド+45ポンドの税で,片道約115,000円.ビジネスにしてこの値段・・・・!
あんまり安いので,一瞬予約したチケットキャンセルしてこっちに乗り換えようかと思ったが,まあ考えてみれば香港在住の人はまだいいとして,日本からヨーロッパに行く人間にとってはもしかしてそれほど安くないのかもしれないと気づいてストップ。いや,調べてみて知ったんですが,日本・香港のチケットって結構高いんですね.15000円くらいで行けるのかと思ってました。その倍くらいしてました.とくに旅行なんかで一ヶ月以内往復で行くんだったら,ロンドン行きアジア経由便(キャセイの香港経由とか,アシアナのソウル経由とか)でいま結構安いのが出てるんで,そっちと対して値段は変わらないかもしれない。片道で行く人間にとっては,日本・香港3万,香港・ロンドン16000円と,合計5万以下で行けるのは魅力ではあるが・・・
このオアシスエアライン,どうやらヨーロッパですっかり定着したEasyjetやRyanairの早期予約激安フライト系のやりかたをアジア-ヨーロッパ線に持ち込んだという会社らしい.これら二つの会社は,オンライン予約をメインにしてフライトチケットに競争原理つか需要と供給のバランスシステムを持ち込むことで,たとえば一ヶ月前に予約すればロンドン-スコットランドが往復1万円とか,ロンドン-ミラノが1万ちょいだとか,たまにバーゲンプライスでロンドン・フランクフルト200円(税抜き)とか,そういう価格設定をやってのけた会社です.
しかしそういうのは短距離フライトだったからまだなんとか理解内であったわけで,それを長距離フライトのアジア・ヨーロッパ路線に持ち込むとは・・・!まあ確かに画期的ではあるのかもしれないが,しかし不安なのは本当に大丈夫なの?ということだ.その「大丈夫」かどうかというのは,飛行機が落ちる落ちないだけの話ではない.長距離路線だからこそ,ごはんのおいしさとか座席の快適さとか,映画コメディショー音楽その他エンターテイメントの質とか,そういうものがひたすら大事になってくるのである.たとえば,easyjetの機内サービスではごはんが出ないらしい.これ,4時間とかのフライトだったら我慢できるけどロンドン・香港の12時間だったら耐えられませんよ。弁当持ち込むにしても無理があるってもんだ。腐るし。
いったいどんなんなってんだろうと思ってウィキペディアを見ていると,だがしかし,一応の機内サービスはちゃんと付いているらしい。というか,会社は付いていると主張しているらしい(まだ航業はしてないので真相は誰も知らない)。「ホット・ミールはチケットに含まれ.希望者にはプラスの料金でグルメメニューが出る」とか書いてあるので,金を払わずともなにかあったかいものは出てくるのだろう。あと,リクライニングも他の航空会社とほとんど同じか,多少良いぐらいとか。(でも真相はまだ誰も知らない・・・)
この会社,今月10月25日から香港・ロンドンを開始,その後ヨーロッパの主要都市にも路線を広げていく予定だとか(いまんとこ日本に乗り入れる予定はないというのが残念)。とりあえず様子を見てみたほうがいいかあ。
そんなわけで,今回はおとなしくアシアナで行きます。ちょっと後ろ髪ひかれつつも。いや,25日の航業初日に乗るというのはちょっと冒険要素強すぎるもんなあ。後ろ髪引かれるけどなあ・・・今回片道チケットだしなあ・・・。
それはそれとして,上で触れたヨーロッパ格安フライトのライバル二会社、EasyjetとRyanairの会長たちがたいへん素敵なので紹介しておきたい。
とても誠実そうなライアンエアーの会長
そして
とても素敵そうなイージージェットの会長
脚の下に手入ってますよ。笑ってる場合じゃないですよ会長。本当に大丈夫なんですか。本当に落ちないんですよね!ね,会長!
オアシスエアラインもこれだけ突き抜けてくれたら,なにか儲けてくれそうな気がします。
以上画像はFlying Cheap!から。このサイト、情報が有用ってだけじゃなくてなんか面白いんですよ。おすすめ。
(2007年4月4日付記。easyjetの使用感報告を書きました。ご参考までに。)
Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.09.15,Fri
引越レポ続き。
そんなわけで、(どんなわけかはココとココ)見にいったおうち二軒両方ともわりと良くってどうしようかと迷っていたときに、ぼんやりしながら学生寮のキッチンで料理してたらフラットメイトが息せき切ってやって来た。やはりPhDをやっている、地中海沿いのとある一国からの留学生だ。彼もまた次に住む部屋を探していた。瞳を輝かしてその彼が言うには「ハナコ(仮名)にぴったりの物件を見つけた!」おや、自分の住むとこ探すのだって忙しいのに、わたしのために物件を探してくれたのかい。「違う、偶然だ、次にシェアすることになった人が今住んでる場所が、ハナコ(しつこいが仮名)にぴったりだって言ってるんだ。だから早く知らせなきゃと思って帰ってきたんだよ!」
なんだか言ってることが複雑だったが、実のところわたしのために急いで帰ってきたわけですらないと思われた。単にこいつの都合で帰ってきただけである。多分。いつもこういうちょっと大げさなもの言いをする奴なのである。
それはいいとして、彼は秋から家を他の学生とシェアするつもりらしいのだが、最近見つけたその未来のハウスメイトが大家と一緒に住んでいて、そこが週払いの非常にフレキシブルな条件だというのである。それをたまたま彼女から聞いて、わたしに知らせてくれたというわけだ。つまり彼女が出た後にわたしがそこに入れるだろうというのだ。
場所が大学からほど近かったこと(徒歩15〜20分ほど)、値段は予算より少し高めだが週払いなのでいつでも部屋を引き払えるというのが魅力で、見にいってみることにした。そのフラットメイトから彼女の携帯番号を教えてもらい、連絡。部屋を見せてくれることを快諾してくれた。
けっこう立派だなあというのが第一印象。家は三階建てで、ベースメントまである。イギリスの建物にけっこう多いこのベースメントと言う奴は、言ってみれば「半地下」である。地面から少し掘り下げた場所に部屋がしつらえてあって、一応その階の半分くらいは地面から出ているので、窓なんかもある。とっても良いコンディションとは言い難いが、窓があるから真っ暗でもないし、なにより夏に涼しいのはメリット。住むとなると話は別だが。
学生に貸している部屋はトップフロアすなわち三階の二部屋と、ベースメントの三・四部屋。でっかいおうちだなあ。家の中をあれこれ見て回っていると、なんかちっこい子供がおもちゃ片手にうろうろしている。どうやら大家夫妻は両方弁護士で、女性の方がいま子育て中かなんかで休業中ということらしい。まあつまりインテリかつ裕福な家庭なわけで、おっきなおうちもなるほど納得という感じなのだが、しかしこれだけ裕福インテリ家庭でも下宿人を住まわせるというのがイギリスのちょっと不思議な所なんだよなあ。やっぱり赤の他人と四六時中顔をつきあわせてるってのはめんどくさい人にとっちゃめんどくさそうだし、収入がそれなりにあるんだったら別に部屋貸さなくても良いような気もするんだけど。
ともあれ、見せてもらった三階の部屋はとっても豪華でした。12畳あったんじゃないかな。部屋の真ん中にダブルベッド。オレンジピンクの壁に、アンティーク風のクローゼット。窓の隣には大きめの鏡台があって、手洗いシンクもついてる。そのへんのB&B(ベッドアンドブレクファスト、朝食つきイギリス風民宿)より遙かに立派な部屋でした。
前に見た二軒より週あたり10ポンドほど高かったんだけど、ロケーションと部屋の立派さを考えれば高くはないかな、という気がした。それに、たとえば一ヶ月〜数ヶ月ほど帰国とか云々で部屋を空けるとしたら、その間荷物を置いたまんまでも家賃を半額にしてくれるという。それを考えると、最初に見た物件と総合してそんなに値段が変わらないことになる。
そんなわけでまたしても「ここにしようかな」と気持ちが動いていたわけだが、どうも話を聞くと大家はまだその部屋を次の人間にも貸すかどうかを決めていないらしい。そんで、もしその三階の部屋を貸さないとすると、ベースメントの部屋に住むことになるんだとか。えっ・・・でも、大学の研究室とかならまだしも、住むのだとしたらやっぱり明るくて風通しの良い場所がいいんですけど。えーと、半地下だと値段安くなるんでしょうか。えっ同じ値段!?それ条件違いすぎませんか。だって地下っすよ。地下室。
なんか超適当な値段設定であることが発覚。「三階なら住みますが、ベースメントだとちょっと即答できません」つって帰ってきた。だって半地下なんかに住んだら『地下室の手記』みたいなドロドログチャグチャ混沌とした自我が部屋いっぱいに膨らんで飛び出す絵本のアリスみたいになりそうじゃないか(飛び出す絵本のアリス)。とにもかくにも地下室ってどうもオカルトな雰囲気ありませんか。ポーでも黒猫が塗り込められてたの地下室ですよね。なんかじめじめして蠱惑的な匂いがある。(蠱惑的なのかよ)
結局二週間後くらいに電話があって、三階を貸すのは止めたという。子ども達のために新しい部屋が欲しいんだとか。というわけで、三軒目は選択肢から消失。
そんなわけで、結局現在住んでいるのは二軒目です。近くに広い広い公園があるところ。結局なにが決め手になったんだったかは忘れた。あ、そうだ、一軒目は早めに答えをくれと言われてたんで、三軒目の可能性がまだあった時に断ってしまったんですな。あそこは猫と暖炉が良かったなあ。猫・・・(未練)
まあ、でも住んで一週間ちょいになりますが、かなりいまんとこ満足してます。大家夫妻も最初の印象よりさらに付き合いやすそうな人たちだ。眺めも良いし、静かだし、まわりに可愛いおうちもあるし、なかなか良い。天気の良い日には小さなお庭に出てトースト・目玉焼き・トマト・コーヒーのお昼ごはん食べたりしてます。なかなか良いです。
そんなわけで、とあるイングランドの街に住むとある学生の引越レポートでした。総合的な印象としては、三軒、どのおうちもそれなりに魅力的で、それなりに個性が違って面白かったです。ちょっと色々研究上の都合でまた何回か引っ越しすることになると思うんだけど、また大家さんと住むとこにしようかなと思ってる。人の日々の生活に入り込み、それを肌で感じることを面白いと思うあたり、やっぱり自分は社会文化系の人間なんだなあと思う。それに加えてもうちっと読み物・書き物する集中力も持ってたらもう少しまともな研究できそうなんですけどねえ。むう。
話のついでに紹介。大学三年くらいのときに貪るように読んだ記憶。自意識過剰であることに自意識過剰な自意識のありようを書いた小説。自分と世の中の双方を馬鹿にしきった自分を、さらに嘲りながら、入れ子構造状に内向きに落ち込んでゆく自我——その自分がたった一こまの他人との触れ合いで大きく揺らぐさまが描かれている。だが自虐の浅薄な快楽の中にどっぷりと耽溺しつくした主人公は、結局その揺らぎを受け入れられず、その人をとりかえしようもなく傷つけてしまう。滑稽で愚かしい、小さな悲劇。
はじめて読んだときは前半数十頁にわたって繰り広げられる自嘲的な自意識の描写こそが小説の要だと思っていた。自分が誰なのかという問いに答えようと自分自身を覗いたときに我々の目が映すのは、合わせ鏡がたがいにたがいを無限に映し出す、非-創造的な閉じた光景である。そうして、その鏡と鏡の奥の奥の奥を目をこらして覗いたところで、結局最後の最後まで自我はとらえられない。先にも書いたように、自分自身という深淵を覗こうとしたとき、それをさらに見つめる自身の視線が存在するからだ。すなわち自我とはつねに自分の把握の外に漂っているものなのである。「我」を問うことのそうした不毛さを、「我」を演じるその外に取り残される自我の孤独を、ドストエフスキーの描写は的確に、皮相的な言葉遣いで描き出しているように思えた。
その描写自体を評価していることは、いまでも変わりない。だが、この小説のすぐれた所はただそれだけにあるのではない。言ってしまえば、そうした自我のありさまを書いたところで、若い精神が陥りがちな傲慢な内的世界のひとひらを切り出すことにはなりえても、それだけである。それは単なるデッサンであり、立体的なストーリー/ドラマにはなりえない。終わりなく回り続ける自意識の描写と、ささやかで惨めな他人とのふれあいを描いた後半部分を並置することで、はじめてこの小説はある種の「浅はかさ」の味を、ざらざらして酸いその味を、表現しえているのではあるまいか。
しっかしアマゾンってわたしが紹介しようかと思う本ことごとくNo Imageだわー。なんでだ?
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なんだか言ってることが複雑だったが、実のところわたしのために急いで帰ってきたわけですらないと思われた。単にこいつの都合で帰ってきただけである。多分。いつもこういうちょっと大げさなもの言いをする奴なのである。
それはいいとして、彼は秋から家を他の学生とシェアするつもりらしいのだが、最近見つけたその未来のハウスメイトが大家と一緒に住んでいて、そこが週払いの非常にフレキシブルな条件だというのである。それをたまたま彼女から聞いて、わたしに知らせてくれたというわけだ。つまり彼女が出た後にわたしがそこに入れるだろうというのだ。
場所が大学からほど近かったこと(徒歩15〜20分ほど)、値段は予算より少し高めだが週払いなのでいつでも部屋を引き払えるというのが魅力で、見にいってみることにした。そのフラットメイトから彼女の携帯番号を教えてもらい、連絡。部屋を見せてくれることを快諾してくれた。
けっこう立派だなあというのが第一印象。家は三階建てで、ベースメントまである。イギリスの建物にけっこう多いこのベースメントと言う奴は、言ってみれば「半地下」である。地面から少し掘り下げた場所に部屋がしつらえてあって、一応その階の半分くらいは地面から出ているので、窓なんかもある。とっても良いコンディションとは言い難いが、窓があるから真っ暗でもないし、なにより夏に涼しいのはメリット。住むとなると話は別だが。
学生に貸している部屋はトップフロアすなわち三階の二部屋と、ベースメントの三・四部屋。でっかいおうちだなあ。家の中をあれこれ見て回っていると、なんかちっこい子供がおもちゃ片手にうろうろしている。どうやら大家夫妻は両方弁護士で、女性の方がいま子育て中かなんかで休業中ということらしい。まあつまりインテリかつ裕福な家庭なわけで、おっきなおうちもなるほど納得という感じなのだが、しかしこれだけ裕福インテリ家庭でも下宿人を住まわせるというのがイギリスのちょっと不思議な所なんだよなあ。やっぱり赤の他人と四六時中顔をつきあわせてるってのはめんどくさい人にとっちゃめんどくさそうだし、収入がそれなりにあるんだったら別に部屋貸さなくても良いような気もするんだけど。
ともあれ、見せてもらった三階の部屋はとっても豪華でした。12畳あったんじゃないかな。部屋の真ん中にダブルベッド。オレンジピンクの壁に、アンティーク風のクローゼット。窓の隣には大きめの鏡台があって、手洗いシンクもついてる。そのへんのB&B(ベッドアンドブレクファスト、朝食つきイギリス風民宿)より遙かに立派な部屋でした。
前に見た二軒より週あたり10ポンドほど高かったんだけど、ロケーションと部屋の立派さを考えれば高くはないかな、という気がした。それに、たとえば一ヶ月〜数ヶ月ほど帰国とか云々で部屋を空けるとしたら、その間荷物を置いたまんまでも家賃を半額にしてくれるという。それを考えると、最初に見た物件と総合してそんなに値段が変わらないことになる。
そんなわけでまたしても「ここにしようかな」と気持ちが動いていたわけだが、どうも話を聞くと大家はまだその部屋を次の人間にも貸すかどうかを決めていないらしい。そんで、もしその三階の部屋を貸さないとすると、ベースメントの部屋に住むことになるんだとか。えっ・・・でも、大学の研究室とかならまだしも、住むのだとしたらやっぱり明るくて風通しの良い場所がいいんですけど。えーと、半地下だと値段安くなるんでしょうか。えっ同じ値段!?それ条件違いすぎませんか。だって地下っすよ。地下室。
なんか超適当な値段設定であることが発覚。「三階なら住みますが、ベースメントだとちょっと即答できません」つって帰ってきた。だって半地下なんかに住んだら『地下室の手記』みたいなドロドログチャグチャ混沌とした自我が部屋いっぱいに膨らんで飛び出す絵本のアリスみたいになりそうじゃないか(飛び出す絵本のアリス)。とにもかくにも地下室ってどうもオカルトな雰囲気ありませんか。ポーでも黒猫が塗り込められてたの地下室ですよね。なんかじめじめして蠱惑的な匂いがある。(蠱惑的なのかよ)
結局二週間後くらいに電話があって、三階を貸すのは止めたという。子ども達のために新しい部屋が欲しいんだとか。というわけで、三軒目は選択肢から消失。
そんなわけで、結局現在住んでいるのは二軒目です。近くに広い広い公園があるところ。結局なにが決め手になったんだったかは忘れた。あ、そうだ、一軒目は早めに答えをくれと言われてたんで、三軒目の可能性がまだあった時に断ってしまったんですな。あそこは猫と暖炉が良かったなあ。猫・・・(未練)
まあ、でも住んで一週間ちょいになりますが、かなりいまんとこ満足してます。大家夫妻も最初の印象よりさらに付き合いやすそうな人たちだ。眺めも良いし、静かだし、まわりに可愛いおうちもあるし、なかなか良い。天気の良い日には小さなお庭に出てトースト・目玉焼き・トマト・コーヒーのお昼ごはん食べたりしてます。なかなか良いです。
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地下室の住人の思想とは…
典型的観念小説
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話のついでに紹介。大学三年くらいのときに貪るように読んだ記憶。自意識過剰であることに自意識過剰な自意識のありようを書いた小説。自分と世の中の双方を馬鹿にしきった自分を、さらに嘲りながら、入れ子構造状に内向きに落ち込んでゆく自我——その自分がたった一こまの他人との触れ合いで大きく揺らぐさまが描かれている。だが自虐の浅薄な快楽の中にどっぷりと耽溺しつくした主人公は、結局その揺らぎを受け入れられず、その人をとりかえしようもなく傷つけてしまう。滑稽で愚かしい、小さな悲劇。
はじめて読んだときは前半数十頁にわたって繰り広げられる自嘲的な自意識の描写こそが小説の要だと思っていた。自分が誰なのかという問いに答えようと自分自身を覗いたときに我々の目が映すのは、合わせ鏡がたがいにたがいを無限に映し出す、非-創造的な閉じた光景である。そうして、その鏡と鏡の奥の奥の奥を目をこらして覗いたところで、結局最後の最後まで自我はとらえられない。先にも書いたように、自分自身という深淵を覗こうとしたとき、それをさらに見つめる自身の視線が存在するからだ。すなわち自我とはつねに自分の把握の外に漂っているものなのである。「我」を問うことのそうした不毛さを、「我」を演じるその外に取り残される自我の孤独を、ドストエフスキーの描写は的確に、皮相的な言葉遣いで描き出しているように思えた。
その描写自体を評価していることは、いまでも変わりない。だが、この小説のすぐれた所はただそれだけにあるのではない。言ってしまえば、そうした自我のありさまを書いたところで、若い精神が陥りがちな傲慢な内的世界のひとひらを切り出すことにはなりえても、それだけである。それは単なるデッサンであり、立体的なストーリー/ドラマにはなりえない。終わりなく回り続ける自意識の描写と、ささやかで惨めな他人とのふれあいを描いた後半部分を並置することで、はじめてこの小説はある種の「浅はかさ」の味を、ざらざらして酸いその味を、表現しえているのではあるまいか。
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時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
A tiny lazy gecko (=yamori) always mumbling something
Please excuse my poor English -- I am still under training
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