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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by - 2024.11.22,Fri
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.10.02,Mon
うわあずいぶん長いこと放っておいてしまった。
でもこれから一ヶ月くらいガンガン書くの目指します。二日に一エントリ目標。


 とりあえずイングランドでVOLVERを見損なったことが非常に悔しい。口惜しい・・・だってけっこう評判がいいんだもの。日本で公開されるころにはきっとわたしはすでにまた向こうに戻ってるだろうし、そのころはイングランドではもう通常公開は終わってるだろうしなあ。
 この映画うちの学部のほかの院生達もかなり褒めていたし、IMDbユーザーレビューでも★7,7と高評価。うう、近くの映画館でやるかしら・・・9月はじめに引っ越した場所の近くにはさびれた風情の映画館があって、そこは通常の公開から数ヶ月後にちょっと安値で映画を見せてくれるってところです。そんでもって日本と比較すると本当に安いのだが・・・(学生3ポンド、つまり約600円、映画の日には誰でも2.8ポンド、つまり約560円)まあやっぱりハリウッドのメガ予算系が多いのでVOLVERやるかどうかは微妙なのです・・・。The Wind That Shakes the Barleyはやっていたみたいなので、希望は皆無ではないのだが。

 ところでVOLVERのIMDbでの★数が7.7だと書いたけど、この平均点数表示って参考にはなる時もあればならん時もあるみたいな、難しいところだと思いませんか。
 アマゾンみたいな本の評価でもなんでもそうなんですが、つまり自分の好みのタイプの本や映画については参考になっても、「自分が通常手に取らないであろう本」「自分が通常足を運ばないであろう映画」の評価はわりかしアテにならないなあと思うのだ。
 理屈は単純、だってある作品についてレビューをする人というのは、職業的な批評家でもない限り、その本を読みたいと思って読み、その映画に興味を惹かれて見た——つまり、「そういうタイプ」の作品が元々好きな人が圧倒的多数を占めるわけだからです。だから良いも悪いも、ある程度の嗜好の範疇に入るという前提条件の上で評価されることになる。たとえば、淀川長治と嗜好が似ていると自認する人であれば、彼が良いと言ったものは気に入り、彼が駄目と言ったものは気に入らない可能性も高いのだけど、ネット上で不特定多数の人間がレビューしたものの場合、中年女がハイチにセックスツアーに行くつう、まあちょっとキワモノテーマのHeading Southと、ハリウッドのメガ予算映画のXメンが同じ点数だったからといって、両方気に入るとは限らんわけですな。当然だけど。
 で、問題なのは、通常自分の「範囲内」にないであろう作品について事前に調べたいときだ。結局その作品についてレビューした多くの人は、何が良い映画で、何が可愛くて、何が印象的なのかという判断基準や嗜好を自分と共有してない人間ということになる。そうすると、ホラーファンにとってはすごい評価低いけど自分にとっては脱力したナンセンス感がカナリ面白いとか、ラブコメとしてすっごい評価されてるけど自分にとっては別の売れてないやつのほうが面白かったとか、そういうことあると思うんですよね。

 例を挙げてみよう。ここ三ヶ月くらいでわたしが見た映画の評価をIMDbで見てみると、完全にではないけれど、わたし個人の評価とそれなりに一致する部分がある。ケンローチ作は力強い映画だとは思うけど、総合点で行くとパラダイス・ナウやオフサイドの方が優れていると思うし、Oの点数もそうだった。いや、カメラワークとかそのへんわかんない素人判断ですけどね。そんでもって、たぶん一ヶ月に2・3個以上映画を見る人で、かつパラダイスナウに興味を惹かれる人ならば、多分ケンローチも見にいくんじゃないかと思うわけなんです。そんでもって、カンヌを取った『麦の穂』はともかくとしてパラダイスナウとかそれほどメジャー系ではないから、そもそもそういうのに興味がない人はわざわざ見てないと思うんですよね。つまり自分とわりと興味が近い人が点数をつけてる、それがまあまあレビュー点が信頼できる理由なんじゃないかと思う。

 それに対して「範囲外」の時。たとえばメル・ギブソンが監督・主演した『ブレイブハート』という映画がある。わたしはこの作品を映画館で見たんだけれども、若かった当時でさえ「雄々しい英雄」のキャラクター造形がやりすぎててちょっと胡散臭いなあと思っていた。しかし、先日ひょんなことから(ひょんの内容は完璧に忘却した)みんなのシネマレビューにおけるこの作品のレビューを見ると、戦闘シーンの派手さだけでなく意外とその歴史性つか「圧政との闘い」というとこを描いた映画として評価している人が多いみたいで、10点満点中9点以上をつけたレビュアーが半数以上と、けっこうな高評価ぶりだ。ウーム・・・
 結局、このレビューを書いている人の多くは、シニシズムと風刺とナンセンスでニヤリとさせる映画よりは、壮大でドラマチックでヒロイックで情熱的な映画を好む人たちなのだろうと思う。しかし、前者のタイプが好きであっても、歴史に興味があれば見てみる人もいるかもしれない。そういう人たちがレビューを参考にして見にいってみると「アレ?」ということになる。彼らの多くにとって、おそらくすぐれた歴史ものの映画とは英雄の熱い戦いが感涙を呼ぶ作品のことではないからだ。
 まあ、そのあたりのレビュアーと自分との嗜好の違いは、文章読んでてある程度はわかるけどね・・・

 結局ダラダラと書きましたが、ようは近くになった映画館でやる映画というのは、軒並み最近のわたしの「範囲外」、つまりあんまネットレビューでの事前調査があてにならない映画だということなんです。困ったなあ。でもそういうののなかにも面白いの絶対あると思うんだよ。現に『LAコンフィデンシャル』とか、わたしエルロイの原作買おっかなと思ったくらい楽しんだし。『セブン』だって単純な作りではあったけれど、ちょっと凄い映画だなあと思いました。ラストの衝撃性うんぬんだけではなくて、それの前段階として描かれる天真爛漫な若い刑事の表情との結びつきとか。
 いや、そもそもそういうネットレビューの点数なんかで映画見にいくかどうか決めるなよ!という理屈はわかります!わたしだって好きな領域だったら、そりゃ監督とか俳優とかあらすじとかで見にいくかどうか決める。よく知らない領域の映画だからこそ、そういう点数にすがりたくなるのにそれがあてにならないというジレンマ。むう・・・


 そんなわけでオチのない今回のエントリ(反省)
 あ、そういえばダリ展行きました。
 感想:わたしはダリ特別好きじゃないんですけど思ったより面白かったです。
 次回はダリ展の感想メモです。






 あれ、いま改めて「みんなのシネマレビュー」行ってみたんだけど、意外とランキング上位の中にはわたしが良いと思ったものも入ってるなあ・・・『大脱走』とか『シティ・オブ・ゴッド』とか『太陽がいっぱい』とか、ホラーではけっこう上位に『エイリアン』とか、・・・・あー単に古典だからだろうか?うーん。あとなんか「へー」というか勉強になるレビューもありますな。なんか一概にはイロイロ言えませんね。


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