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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.11.04,Sat



ようやっと書いたシャーロット・ランプリング主演のHeading Southのレビュー。日本公開されるのかわからないけれど、ランプリング好きにはかなり来る映画ではないかと思います。
わたしはこの映画でスゲーと思った口ですが。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.10.25,Wed



 ひっさしぶりに更新。


 イギリスTVにはチャンネル4ってのがあって、夜遅くなるとこう、スプラッタ映画とかホラーアクション映画とかそんなのばっかりやっています。ちなみに日曜日にはThe League of Extraordinary Gentlemenがやってた。これ映画はどっかで聞いたことある名前ちりばめただけの嘘っこアクションぽかったけど、漫画版はパロディっぷりがけっこうエグいらしいので一度読んでみたかったりする。

 そのチャンネル4でたまたまやっていたスリラー映画を見たら、意外となんだか強烈な映画だった。

 Shane Meadows監督のDead Man's Shoes。2004年のイギリス映画で、どうやら日本では公開されていないらしい。
 こういう映画を「良い映画だ」と言うことはわたしにはできないし、ひとに勧めるのもなかなかに難しいのだけれど、ものすごい緊張感のある映画だったということだけは言える。えらそうなこと言えるほど映画をたくさん見たわけではないのだが、これだけ独特の雰囲気を持った作品であるなら、日本で公開されてもいいのではないかなあと思った。その雰囲気は同じくドキュメンタリー調でホラーを撮った『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の雰囲気とはまた全然違っていて(まあ、あれはネットとのタイアップが主な目玉だったらしいけど)、いや本気で怖かったです。しかしこう、すごく後味の悪い怖さなんだ。

 二人の若い男がイングランドの田舎町の、目にも鮮やかな緑の中を歩いていくところから作品は始まる。二人は兄弟だ。兄のリチャードは軍隊から帰ってきたばかりで、町のちんぴら集団に復讐をしようとしているのだ。なんの復讐かと言えば、それは軽い知的障害のある弟のアンソニーを、そのちんぴら集団が胸くそ悪い形で笑いものにし暴力を加えた、その復讐なのである。麻薬か酒でべろんべろんに酔ったちんぴらをガスマスク姿で脅すというような、「些細な」心理攻撃に始まった復讐は、しかし次第に・・・というのがあらすじ。

 先にも書いたように、この映画はかなりドキュメンタリー調で仕立てられていて、素人を起用してもいるらしい。ちんぴら同士の会話も(スラングだらけでかなりわからんかったが)やけに自然というか「ありそう」で、思わず笑ってしまうほどだった。そうした「リアルさ」はちんぴら集団がアンソニーを虐めるシーンにもありありと出ている。この映画の後味の悪さと、見ている間のしんどさというか緊張感は、そのリアルなグロテスクさから来ているものでもある。
 しかしこの映画のリアリズムの特徴は、暴力シーンを克明に描いているとかいないとかいうものではなくて、むしろ笑いと恐怖が瞬時に交替する感覚、あるいはユーモアと恐怖が同時に共存するあやうさを描いたことにあると思う。たとえばガスマスク男に震え上がったちんぴら3人がボスの所に飛んでいき、起こされて激怒したボスがドアを開けるシーン。ボスの顔は彼が寝てる間にピエロみたいにカラーリングされているのだが(もちろんリチャードがやったのだ)、ボスが激怒してる怖さと、そしてその顔が本人が気づかないままピエロになっているナンセンスな異常さがどこか背筋を凍らせるので、笑うに笑えない、でもその真っ赤なお鼻とほっぺたは間抜けでしょうがない、というような、噴き出すに噴き出せない引きつりみたいなものが、とくに前半で映画全体を支配していた。それはただ恐怖だけで話がひっぱられていくよりも、もっとずっと神経を逆なでする緊張感なのだ。そしてこれは、よくピエロという造形でホラーに登場するような、おどけたサイコでスプラッタな感じとはまったく違うものである。恐怖することも爆笑することもできないひっつれ感。イギリス映画を見るたびにそのブラックユーモアには感嘆させられるのだが、こうしたユーモアの使い方は新鮮だった。

 たぶん、こういうスリラーな映画に「徹底的に被害者であるイノセントな障害者」をもってくるあざとさみたいなものが、この映画を「優れた作品」と言い切れなくしている要因ではある。だがしかし・・・中途まで、「おい、これ弟を殺して兄も自殺っていう最後にするなよ。絶対するなよ。もししたらクソ映画評価決定だからな」とか思って見ていたのだが、ちょっと思わぬ方向に話が進んだので、どうもそういう点を追求する気力がなくなっている分、みごとに制作者の術中に嵌っているというか・・・あるいは普通は予想される展開なのか・・・少し時間が経ったらもう少しきちんと批判できるかもしれない。(いま現在見終わってから1時間経過したとこ)

 とりあえず、うち捨てられた古城のあるイングランド田舎町の風景が美しかったなあ。あと、音楽もよかったです。UKロック詳しくないのであまりよくわからないんですがね。少し不満があるとしたら、途中で使ってる荘厳な聖歌をもうちょっと減らして、最後までゆっくりした感触のロックで貫いた方が雰囲気出せたんじゃないかと思う。


 ところでDead Man's Shoesで日本語サイトをググって出てきたページ。タワーレコードによるサントラの解説。

> サントラの音の構成は、ナイーヴで傷つきやすいロックで
> 綴られていく。スモッグ、キャレキシコ、アデム、アーリーズ・・
> イマ的な心の隙間に流れる荒野への癒しのロック。




 ウムゥ



 これを書いた人間、映画見たんだろうか。見たんだろうか!
 いや確かに、荒野っぽいけどね!舞台!
 もし映画を見た上でこの文章が書かれたんだとしたら、そのナイーヴさとイマ的な心の隙間感覚と癒しの心の傷つきやすさに、そっちのほうが泣きたくなります。






Posted by まめやもり - mameyamori - 2006.10.12,Thu

今年の9月でMAを取って香港に帰った友達からメールが入っていました.
「ひさしぶり!Oasis Airlineはチェックした?ものすごく安くロンドン行きの航空券が手にはいるよ!」

ご存じでしょうか Oasis Hong Kong Airline。わたしはこのメールを見た数分前まで知りませんでした。この10月25日から航業開始というこの会社,なんと香港→ロンドン,ロンドン→香港チケットが片道75ポンドから買えるというすさまじい値段設定をしてきた会社です。75ポンドって,いまのレートだと16000〜17000円くらいですよ。まあ税が45ポンド程度かかるので,合計だと27000円程度になるとはいえ,恐るべき安さではないでしょうか。

4日前にロンドン行きのチケットを予約してしまっていたわたしは,このメールを見るなり久闊を叙する彼女のあたたかな言葉に目を通すのもそこそこに(ごめん,J),自分のタイミングの悪さを呪いながらこのオアシスエアラインのウェブサイトに飛んでみたわけですが,それにしても安いですよねえ。ビジネスでも470ポンド+45ポンドの税で,片道約115,000円.ビジネスにしてこの値段・・・・!

あんまり安いので,一瞬予約したチケットキャンセルしてこっちに乗り換えようかと思ったが,まあ考えてみれば香港在住の人はまだいいとして,日本からヨーロッパに行く人間にとってはもしかしてそれほど安くないのかもしれないと気づいてストップ。いや,調べてみて知ったんですが,日本・香港のチケットって結構高いんですね.15000円くらいで行けるのかと思ってました。その倍くらいしてました.とくに旅行なんかで一ヶ月以内往復で行くんだったら,ロンドン行きアジア経由便(キャセイの香港経由とか,アシアナのソウル経由とか)でいま結構安いのが出てるんで,そっちと対して値段は変わらないかもしれない。片道で行く人間にとっては,日本・香港3万,香港・ロンドン16000円と,合計5万以下で行けるのは魅力ではあるが・・・


このオアシスエアライン,どうやらヨーロッパですっかり定着したEasyjetやRyanairの早期予約激安フライト系のやりかたをアジア-ヨーロッパ線に持ち込んだという会社らしい.これら二つの会社は,オンライン予約をメインにしてフライトチケットに競争原理つか需要と供給のバランスシステムを持ち込むことで,たとえば一ヶ月前に予約すればロンドン-スコットランドが往復1万円とか,ロンドン-ミラノが1万ちょいだとか,たまにバーゲンプライスでロンドン・フランクフルト200円(税抜き)とか,そういう価格設定をやってのけた会社です.
しかしそういうのは短距離フライトだったからまだなんとか理解内であったわけで,それを長距離フライトのアジア・ヨーロッパ路線に持ち込むとは・・・!まあ確かに画期的ではあるのかもしれないが,しかし不安なのは本当に大丈夫なの?ということだ.その「大丈夫」かどうかというのは,飛行機が落ちる落ちないだけの話ではない.長距離路線だからこそ,ごはんのおいしさとか座席の快適さとか,映画コメディショー音楽その他エンターテイメントの質とか,そういうものがひたすら大事になってくるのである.たとえば,easyjetの機内サービスではごはんが出ないらしい.これ,4時間とかのフライトだったら我慢できるけどロンドン・香港の12時間だったら耐えられませんよ。弁当持ち込むにしても無理があるってもんだ。腐るし。

いったいどんなんなってんだろうと思ってウィキペディアを見ていると,だがしかし,一応の機内サービスはちゃんと付いているらしい。というか,会社は付いていると主張しているらしい(まだ航業はしてないので真相は誰も知らない)。「ホット・ミールはチケットに含まれ.希望者にはプラスの料金でグルメメニューが出る」とか書いてあるので,金を払わずともなにかあったかいものは出てくるのだろう。あと,リクライニングも他の航空会社とほとんど同じか,多少良いぐらいとか。(でも真相はまだ誰も知らない・・・)

この会社,今月10月25日から香港・ロンドンを開始,その後ヨーロッパの主要都市にも路線を広げていく予定だとか(いまんとこ日本に乗り入れる予定はないというのが残念)。とりあえず様子を見てみたほうがいいかあ。

そんなわけで,今回はおとなしくアシアナで行きます。ちょっと後ろ髪ひかれつつも。いや,25日の航業初日に乗るというのはちょっと冒険要素強すぎるもんなあ。後ろ髪引かれるけどなあ・・・今回片道チケットだしなあ・・・。





それはそれとして,上で触れたヨーロッパ格安フライトのライバル二会社、EasyjetとRyanairの会長たちがたいへん素敵なので紹介しておきたい。


とても誠実そうなライアンエアーの会長



そして






とても素敵そうなイージージェットの会長



これ!




そしてこれ!




脚の下に手入ってますよ。笑ってる場合じゃないですよ会長。本当に大丈夫なんですか。本当に落ちないんですよね!ね,会長!
オアシスエアラインもこれだけ突き抜けてくれたら,なにか儲けてくれそうな気がします。
以上画像はFlying Cheap!から。このサイト、情報が有用ってだけじゃなくてなんか面白いんですよ。おすすめ。

(2007年4月4日付記。easyjetの使用感報告を書きました。ご参考までに。)

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