本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.11.22,Thu
今月のはじめに一週間、イタリアに行ってきました。
純粋な観光です。
つーかちょっと前のエントリで、「大陸ヨーロッパ行ってきます」とか書いた気するんですが、イタリアって厳密に言えば(言わなくても?)大陸ヨーロッパじゃないっすね。半島ヨーロッパです。ながぐつ半島。
まあ、それはそれとして。
じつはもう7・8年前になりますが、イタリアには一度行ったことがありました。したがって今回は二回目です。それでも、自分が少し成熟したのかなんでなのか知りませんが、前回とはかなり異なる印象でした。どちらがより楽しかったということではないのですが、やっぱり自分のおかれてる状態によって、見るものも食べるものも感じるものも、色々とちがうものだなあ。
ということで、今回のエントリから数回にわたって、イタリア特集を書きたいと思います。
今回の旅行の予定を立てるにあたって、まず訪れると決まっていた場所はポンペイだった。むしろポンペイが先にあって、イタリア来訪が決まったと言っても過言ではない。2000年前に火山の灰の下に沈み、その後1700年にわたって時間が完全に停止した、生ける死の都市ポンペイ……(おお浪漫) 前回のイタリア旅行、およそ初めての海外旅行のとき、スケジュールのつごうで訪問先からはずすも、ずっと心にわだかまりを残していた古代遺跡……(おお浪漫!)
今回は日本に住む友人と二人の旅行だったのだが、あれ、なんか考えてみるとわたしの希望や都合がずいぶん優先されてるな。(いや、友人も面白そうと言ってはいたが……なんか海外旅行するといつもこんなんだ。→ベルリン参照)
イタリアでもかなり南部にあるこの遺跡は、ローマから無理をすれば日帰りで行けないこともないが、時間の制約上バタバタせざるをえない。ゆっくりポンペイを見たいと思えば、近隣の都市ナポリに泊まるのが便利だ。
「ナポリって食べ物のおいしいところだよね」
「まあ、そういう話だね」
「ナポリタンの由来だよね」
「そうだね、ナポリタンは全然ナポリ風じゃないらしいけどね」
「ほか何があったっけ。ピザか」
「マルゲリータが名物だったかな」
「だけどイタリアでも治安が悪いので有名っていうよね」
「なんかそんなことを聞いたことがある気もするね」
そんな会話を友人とあっけらかんと交わした気もするが、治安よりもあきらかに食い物のうまさを取ったわれわれは、あっさりとナポリの滞在を決めたのだった。ちなみに、わたしがイタリア旅行を追えて帰ってきた翌日、ハウスメイト(ウィーン出身)に会ったときの第一声は「ナポリ行ったんだっけ?ワーオ。よく攫われもせず無傷で帰ってきたね」であった。このハウスメイトはいつも真面目なのか冗談なのかまったく判断がつかない物言いをするので何とも言いがたいのだが、そのジョークとも本気ともつかない「危険地帯」表現に、ナポリの一般イメージが端的に表れているような気がする。
さらに、一週間ならばもう一都市くらい行けるのではということで、ほかにどこに行くかを協議する。
友人が世界遺産のアルベロベッロ(こんなん)やマテーラの洞窟住居サッシ(こんなん)はどうかと提案し、二人でネット上の写真を見て興奮するが、交通の便が悪そうな僻地を一週間でいろいろと行き来するのは困難かという話になり、残念ながら今回は見送り。
さいわいというかなんというのか、われわれは二人とも共通して嗜好が地味で、オサレ都市ミラノ(偏見)にはまったく食指が動かなかった。加えて、「北イタリアではクリームやバターといった乳製品を、南イタリアではトマトやオリーブといった地中海風の食材を使う」という素人イタリアフード知識も、われわれの興味を北に向かわせなかった。けっきょく、すべて食で決まってる気がしないでもない。
まあ、それはそれとして。
わたしは前回のイタリア訪問でローマとフィレンツェを訪れていたのだが、そのときもった印象は、フィレンツェは「可愛いけれど一回でいい」街、ローマは「もう一度でも行きたい街」というものだった。ローマが幾百幾千のみどころに溢れているというのもあったが、どうやら絢爛豪華なルネッサンス芸術の精髄よりも、埃にまみれた古代遺跡の神秘のほうに魅力を感じるたちのようである。それを友人に告げ、「じゃあローマでもいいかもね」という話になる。(ふたたび私の希望でことが決まっている……)
結局、日本への飛行機の発着を考えてもローマにはいずれ立ち寄らなければならないし、世界的観光都市だったら見るものにも事欠かないだろうということで、もう一つの滞在都市はローマにあいなった。
というわけで、次回以降、「ポンペイ編」「ナポリ編」「ローマ編」「食べもの編」「旅の技術・宿と交通編」あたり、五回程度にわたって旅行記録を書いていこうと思います。基本的には、チープ路線でネット酷使の個人設計旅行。そういうイタリア旅行をしようと思っている人の参考になれば幸いです。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.11.17,Sat
多大な広告費を費やす企業にろくなのはない、という印象がある。
化粧品にしたって、うさんくさいのにせようさんくさくないのにせよ、オルタナティブ系を狙うところは、たいてい「広告費を削減して安い値段で良い物を」を謳い文句にしている。
わたしも基本的にはそれに賛成だ。セレブの懐に入る莫大な出演費に自分の財布を貧しくするより、できるだけ安くて良い質の物を自分が使いたい。
だが、そういう認識をくつがえす企業というのが存在するのだ。
正確に言うと、「広告に金をかけてるのに企業体質もまとも」な企業というわけではない。
出すCM出すCM、すべて「こんなCMならどんどん作ってくれ」と言いたくなるようなものばかり、そんな企業である。
つーかこの会社のCM かなり好き
GUINNESS
ほんっとはずれがありません、ギネスのCM。テンポ最高。まるでショートフィルムを見ているかのようだ。
yuchubuのリンクをちょっと貼るので、見てみて下さい。ほとんどまったく台詞がないので、誰が見ても楽しめると思う。
まず、一番目は最初にUK来た頃に見て、「おっ」と印象に残ったバージョン。その名も"EVOLUTION"(別窓)
お次は”PENGUINS”。最初のに比べてひねりは無いが、これもなかなか。
最後にお財布をさがすペンギン君が可愛いです。ないよねポケット。毛皮だし。
基本的に、すべて最後の最後までなんのCMなのかわからないようにできてて、テレビや映画館で見てるときにはその驚きがまた面白くもあるんですが、ユーチューブだと題名でわかっちゃうのがちょっと残念かな……でもまあ。
というか、裏を返せばギネスビールとぜんぜん関係ない内容のCMということなので、それCMとして成功してんのかという気もするんだけど。でも「広告のいい会社」としてはかなり社会に印象づいているようではある……CMとして効果が高いかどうかって、宣伝対象に関係してるしてないに左右されるんですかね。どうなんだろう。心理学の研究とかありそうだけど。
わたしの友人は、以前いっしょにテレビを見ててやはりギネスのCMが流れたときに、開始15秒くらいで「これ、絶対ギネス」って当ててました。独特のユーモアとセンスなので、わかっちゃうんだそうです。
ギネスってなんか会社としてはどうなんだろうと思ったりもするけど(よく知らんけどギネスブックとか独特のうさんくささがある)、CMづくりのデザイナーはほんと一流のを雇ってるなと思います。
最後は、こないだ映画にいって見たニューバージョン。"DOMINO"。
数日前にリリースされたばかりのようです。
およそ自分がいままで見た映像CMのうちで、トップ5に入る出来じゃないだろか、これ……
Telegraph紙の記事によると、舞台はアルゼンチンの町だそうです。ドミノはまさか全部本物なのこれ? 最後の、巨大「ギネスパイント」の底から白い泡がしゅうって上昇する表現が本当にすごい。CMを映画館で見れて幸せだと思うなんて、初めてでした。
Posted by まめやもり - mameyamori - 2007.11.15,Thu
おやっ
BBCでイギリスの空港でのセキュリティが緩和されるというニュース。来年1月から乗客が手荷物を二つ以上機内に持ち込めるようにする、と首相のゴードン・ブラウンが述べたらしい。
2006年の液体爆弾持ち込み計画事件以来、厳重体勢が敷かれてきた空港だが、そろそろその厳しい制限も終わりということなのかしらん。まあ、乗客側も空港・航空会社のスタッフ側も大変なシステムだったからねえ。やっぱり、外で買った飲み物を持ち込めないというのが痛いです。こないだイタリア行ったときなんか、スーパーで25ユーロセントだった水、80ユーロセントだったジュースが、セキュリティ超えたとこでは1.5ユーロ、2.5ユーロでしたよ。いくらどれだけ高くしても売れるとはいえ、ぼったくりすぎ。
この手荷物一つ制限って、液体持ち込み制限と同様、EU加盟国全体の規制だと思っていたんだけれども、もしかするとUKだけだったのかしら。それともEU全体で、手荷物が増えても大丈夫なように規則が改正される、ということなのでしょうか。
まあ、チープ系フライトが預け荷物(check-in luggage)を軒並み有料化したこともあって、手荷物に厳しい制限がついていたらどうしようもないもんなあ。
だけども、少なくともUKに関して言えば、セキュリティ対策に注がれる予算は、2011年までに現在の25億ポンドから35億ポンドに増額されるということだし、国全体の「セキュリティ対策」が緩和されるというわけではないようです。空港のほうは少し緩和するけど、これまでとくにチェックがなかった鉄道の駅に対し、セキュリティチェックを導入するらしい。国内で250の駅に導入っていうと、けっこうな数に聞こえる。
今後は、空港やそのほか人の集まる施設を新しく建築する際に、建物の設計の段階で、「セキュリティが万全であること」——たとえば、狙われやすそうな場所に強化ガラスを仕込むとか、建物のまわりにバリケードがわりになるもの(花壇、塀)を設置するとか——そういうのを重視していく、とかいう方針のようです。
なんだかきなくさい話でやれやれなことです……。こういう「セキュリティ」の話って、どうも気が重くなるんだなあ。
BBCでイギリスの空港でのセキュリティが緩和されるというニュース。来年1月から乗客が手荷物を二つ以上機内に持ち込めるようにする、と首相のゴードン・ブラウンが述べたらしい。
2006年の液体爆弾持ち込み計画事件以来、厳重体勢が敷かれてきた空港だが、そろそろその厳しい制限も終わりということなのかしらん。まあ、乗客側も空港・航空会社のスタッフ側も大変なシステムだったからねえ。やっぱり、外で買った飲み物を持ち込めないというのが痛いです。こないだイタリア行ったときなんか、スーパーで25ユーロセントだった水、80ユーロセントだったジュースが、セキュリティ超えたとこでは1.5ユーロ、2.5ユーロでしたよ。いくらどれだけ高くしても売れるとはいえ、ぼったくりすぎ。
この手荷物一つ制限って、液体持ち込み制限と同様、EU加盟国全体の規制だと思っていたんだけれども、もしかするとUKだけだったのかしら。それともEU全体で、手荷物が増えても大丈夫なように規則が改正される、ということなのでしょうか。
まあ、チープ系フライトが預け荷物(check-in luggage)を軒並み有料化したこともあって、手荷物に厳しい制限がついていたらどうしようもないもんなあ。
だけども、少なくともUKに関して言えば、セキュリティ対策に注がれる予算は、2011年までに現在の25億ポンドから35億ポンドに増額されるということだし、国全体の「セキュリティ対策」が緩和されるというわけではないようです。空港のほうは少し緩和するけど、これまでとくにチェックがなかった鉄道の駅に対し、セキュリティチェックを導入するらしい。国内で250の駅に導入っていうと、けっこうな数に聞こえる。
今後は、空港やそのほか人の集まる施設を新しく建築する際に、建物の設計の段階で、「セキュリティが万全であること」——たとえば、狙われやすそうな場所に強化ガラスを仕込むとか、建物のまわりにバリケードがわりになるもの(花壇、塀)を設置するとか——そういうのを重視していく、とかいう方針のようです。
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時折超つたない英語を喋りますが修行中なのでどうかお許しください。
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