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本、漫画、映画のレビューおよび批評。たまにイギリス生活の雑多な記録。
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.03.04,Tue
 ちょっと前にすっぱ抜かれたハリー王子のアフガニスタン従軍はまだまだホットな話題です。ハリー王子は英国に連れ戻されたようですが、「前線では非常にためになる経験をした、あそこには真のヒーローがいる、ぜひまた前線に戻りたい」と若々しく熱っぽい発言をしていましたよ。昨日の夜にはBBCで「アフガンのハリー王子」という一時間の緊急特集番組が組まれてて、笑った。
 USAメディアもCNNなど大手は自粛していたみたいですが、USAのどっかのニュース系ウェブサイトから漏れたのだとのこと。王室の人間か誰かがニュースのコメントで「こんな情報までリークしてしまうとは、USAや諸外国のメディアのモラルを問い直したい。イギリスのメディアはきちんと守秘していたのに・・・」と言っていたのが興味深かった。まあそりゃそうだけど、UKメディアはみんな知ってたのね。

 しかし、こっちのメディアってほんと謎です。政府批判はガンガン遠慮なく打ち出すなあと思うし(むしろ与党の政策批判・政治家批判をセンセーショナルにやらないと売れないという空気があり、センセーショナルすぎて見てて食傷気味になる)、「言論の自由」が確立していることは当然のように見られている。むしろこちらの学問・政治言説では、「言論の自由」は「リベラル白人中産階級の盾でありかつ陥穽」とすら見なされることがあるように思います。つまり、「言論の自由」によって結果的に隠蔽されているのが「リベラル白人中産階級」の利権だということね。これは「言論の自由」がいまなお市民運動のスローガンとして闘われなければならない状況とはだいぶ違いますよね。
 さらには、普段、王室ネタは揶揄的に、つーか下品とも言えるレベルでネタにされまくっているんですね。一度どっかのお笑い番組がチャールズ皇太子のコンドームをギャグネタにしていたときはびっくりしましたが、その後見ているに、そんなのがネタになるのは珍しくもないようです。

 そのくせ上に書いたように、ロイヤルファミリーと軍との関係について妙な沈黙があったりもするわけです。いったい基準はなんなんだろう。うーん、まだまだそのへんの力学を把握していないのかもしれません。

 CNNのニュースに行ってみたら、守秘してたのは「彼と所属部隊の安全のため」とありました。まあ、狙われやすいことは確かですね。言われてみれば単純な理由ではある。(2008.3.4補足)
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Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.02.25,Mon




・ローマからナポリへ
 さて、今回のイタリア旅行でローマとともに行動の拠点としたのがナポリである。ポンペイ見学のためにローマから出かけるのでは少し遠すぎるのではということで、せっかくだし南イタリアも少し見てみるか、ということで三泊の滞在を決めた。イギリスからローマに飛んだ便が夜に到着だったので、まずその日はローマで一泊、翌朝すぐにローマ駅から急行列車でナポリに向かった。この急行列車はウェブサイトtrenitaliaで予約できます。たしか片道一人19.5ユーロかなんかでした。サイトは英語表示にできるよ。
 (ただしこのサイト、クレジットカードのセキュリティチェックが甘いのか、チケットを購入した後、カード会社から本人確認の電話が来ました。長年ネットで買い物していますが、こんなんはじめてです。オオオ怖やああ大丈夫なんか。国の交通機関のウェブサイトなのにセキュリティチェック甘いってどういう・・・)

 ローマ駅ではナポリ行きのプラットフォームがぎりぎり15分前くらいになるまで表示されないので、電光掲示板の前を離れるに離れられず、お昼ごはんのサンドイッチを買いに行くのも一苦労。
 ちなみに、ローマ中央駅の地下に入っているスーパーマーケットで売っているものはどれもあんまりおいしくないです。ローマ滞在中にフォカッチャ・サンドとチキンの丸焼きを買ってみましたが、どれもイマイチな味だった。かろうじてピザが許容範囲内?(それでもイタリアの基準からしたらさしてうまくはない)。安いんだけど。サンドイッチなら地下にも他にいくつかあるサンドイッチ専門店のほうがずっとおいしいよ。

 ナポリ行き列車の出発はたしか20分ほど遅れたと思う。ちなみに西ヨーロッパで列車が遅れるので有名なのはイギリスとイタリアだそうだ。どーでもいいことで有名にならんでくれと言いたい。
 それにしてもいつまでたっても発車せず、機内放送も皆無なので、この列車でいいのかなあ・・・と座席でそわそわしましたが、隣のお姉さんに英語で「これナポリ行きですか?」と聞いてみたら、ウンウンと頷かれたんで安心。だけど、イタリア語だと日本語発音とほぼ一緒で「ナポリNapoli」なのに、イタリア語を喋るであろうお姉さんに英語で「ネープルズNaples?」って聞いてるって、ナンセンスだなあ。

ナポリ滞在の日程は
 一日目:ローマから移動。ナポリ市内見学
 二日目:ポンペイ
 三日目:ナポリ市内見学
といった具合。



・アルテ・カードの購入
 さて、何事もなくぶじにナポリに到着。その後われわれが最初にしたことは、アルテ・カードの購入です。
 このアルテ・カード、ナポリ近辺(カンパーニャ州)を重点的に見て回る場合にいろいろお得になる観光チケット。いくつか種類があるようだが、われわれが買ったのは三日有効のカンパーニャ州バージョン(25ユーロ)。これはナポリ市内だけの13ユーロのものより有効範囲が広く、ポンペイもカバーしているのが魅力だった。三日間、二つの観光地の入場料が無料になるほか、残りの観光地はすべて半額料金、さらにカンパーニャ州内の全公共交通機関(バス・地下鉄・列車)がすべて無料で利用できる。ポンペイは入場だけで10ユーロ以上、さらにナポリ市内からポンペイまでの交通料金で往復5ユーロ程度、またナポリの見所のひとつである考古学博物館の入場料が7.5ユーロだったので、ポンペイと考古学博物館に行って、地下鉄かバスに二回程度乗ればそれでもとが取れることになる。三日間ナポリ近辺にいてポンペイにも行くんだったら、まちがいなく買って損はない。



・ケイオティック・シティ・ナポリ
そんなわけで意気揚々とナポリ駅から市内に足を踏み出した……瞬間、




なああんだこれは


こええええええええ




カオス





 なんて混沌とした人と車の流れ・・・。信号なんてあってないようなもの。巨大交差点には車が縦横無尽にてんでばらばらな方向を向いて止まっており、そのあいだを通行人がかきわけるようにして渡っていく。その通行人に車の窓から顔を出して「邪魔だはよ行け」ブーイングを送る人々の車はどれもへこんでいたりミラーがひしゃげていたり。ええと地下鉄に乗りたいんですけどいったいどっちに行ったらいいんでしょう。不親切きわまりない標識を見つつ、邪魔ブーイングを受けながら右往左往するわたしたち。うわーUKってやたらめったら規律だってるというか、公共ルールに従うお国柄だったんだなあと、振り返ってみて改めて認識・・・・そういえばフットボール好きの友人が「イングランドのナショナルチームはメンバーがディシプリンド(規律化)されすぎていてアグレッシブさが足りない」とか言ってたような・・・このことか・・・
 ようやっと地下鉄を探し当て、中央駅から一駅ほど離れたナポリ考古学博物館の近くへ。ナポリでとった宿は駅の近くではなく、少し離れたところだったのです。結果的にこれは大成功でしたが、これについてはまた後日、宿についてはまとめてエントリにしようと思います。

 まあそんなわけで、ナポリは全体的にものすっごく混沌としてるというか、猥雑というか、ゴチャゴチャしていて洗練されていないというか、だけどどことなく活気と「おかしみ」に満ちた街だなあ、と感じました。小汚い表通りを荷物引っ張りながらホテルに向かって歩いてて、なんだかおかしくなってきた。なんていうのだろう、たしかに治安は悪そうだし、田舎臭いし、町並みもなにもかも不格好なところがいっぱいあるんだけど、愛すべき人間くささがあるんだなあ。「危なさ」にかんしてナポリは折り紙付きらしく、たしかにスリとかそういう小悪党はウロウロしてそうなんだけど、心の髄から冷え切った巨悪のようなものは感じないのだ。いや、そんなもん感じる都市があんのかと問われると難しいが・・・。だがまちがいなく言えるのは、イギリスの治安の悪い場所には、もっと冷え切った怖さが空気に満ちている。ナポリはその点、ゴチャゴチャしてんだけど、あんまり殺伐としてないんだな。そうだ、殺伐としてないんだ。その表現がいちばんしっくりくるなあ。



・スキャッパ・ナポリ、ジェズ・ヌオーヴォ教会
 さて、そんなわけでホテルに落ち着いたわれわれは、荷物を置いて観光に繰り出しました。とりあえずに向かったのはスキャッパ・ナポリ。
 考古学博物館からちょっと南に下ったあたりにある、このごちゃごちゃとした通りには、アンティーク店や小道具店などが所狭しと建ち並んでいる。背のたかーい、古めかしい建物(だけども安アパート風にも見える)に囲まれて、ぎゅっと濃縮したように並んでいるお店の数々は見ていて面白い。季節柄か(11月だった)、クリスマスのミニアチュアの人形が異様にたくさん売っていた。みどり子の誕生の様子をドールハウス風に再現した、あれである。つーか並んでる店はどれもかしこもその展示ばっかりだった。個人的にドールハウスだの人形だのにほとんど興味がないのだが、あそこまで精巧で手の込んだものが大量に並んでいると、圧巻ではある。



スキャッパ・ナポリ近くのアパート
窓の桟は一階ごとに違うデザイン



 このあたりは多くの教会が建ち並んでるエリアで、あたりをきょろきょろしているだけで面白い。外見のインパクトが強烈だなあと思ったのは、ジェズ・ヌオーヴォ教会(Chiesa del Gesu Nuovo)だったなあ。これ、写真だとよくわからないですが、人間の胴体くらいある巨大な石のトゲトゲが教会の正面に一面に生えているんです。ロンリープラネットによると、「ナポリにおけるルネッサンス建築のもっとも偉大なる例」だそうです。このデコボコがルネッサンスなのかあ・・・。





 ちなみに、ナポリの教会は、午前と夕方5・6時〜7・8時に開館する。お昼〜午後5・6時は見学できない。ここ注意。われわれは午後に散策していたんで、このヌオーヴォ教会も閉まっていた。あとで夜ご飯を食べ終わってから来てみたら、偶然開いていたんで見学させてもらったのだが、外のギザギザの要塞風の趣とはまったく異なり、中はまろやかに豪華だった。なんというか、それもローマにいくつもある教会のように「うっおー金使ってんなこれ」という感じの豪華さとはどこか違う。いや金は使ってそうなんだけど、どことなく素朴な趣がある。金ピカギラギラよりも、素朴な彫刻の多さが印象的だったからかな。
 また当然だが、ローマの有名教会などより、地元の信者の方々の割合が圧倒的に高い。だらだらと見学していると夜の礼拝が始まってしまった。信者とおぼしき方の一人が代表として前に立ち、聖書の一句を読み上げると、その場の方々の全員があとについて復唱するというかたち。みな一様にうつむいて祈りをささげているさまはおごそかで、邪魔できないなあという思いが自然にわき上がる。友人ともども、足音を忍ばせてこっそり外に出た。

 それにしても、ごみごみした街の中にあってなお、古めかしい、趣深い一角があちこちにひっそりと隠れています。イギリスの町並みとはぜんぜん違うなあ。面白い。






例によって一エントリで終わりませんでつた。というわけで、ナポリ日記は次回に続きます。







Posted by まめやもり - mameyamori - 2008.02.20,Wed
>> 映画レビューINDEX

イングランド出身の友人二人、日本出身の友人一人と映画館に見に行く。
箇条書きで感想を。

・北海道の景色はきれいだなあ イギリスの風景と似ているとよく言われるが、やっぱりどことなく違うなあ

・浅野忠信はダメ男じょうずだなあ とくに逃避旅行先で上司から電話がかかってきたときに、さっと表情が切り替わり、電話越しであるにもかかわらず薄笑いを浮かべてる様子がとても自然なダメ嫌っぷり ポイント高し(ダメ嫌男のポイントが高いんじゃなくて俳優としてのポイントね) あの独特の色気のなさも良い 「もーまじかよ 嘘でしょ」「あー冷て 冷てえよ」「ちょっとぉ 大丈夫なの ねっ」 とかそういう呟き台詞が自然

・小泉今日子は年をとっても笑うとかわいいなあ 顔面にストレートパンチを食らうようなかわいさだ

・でもラスト近くの小泉今日子の謎のダンスは謎であるだけで とくにこれといった印象はなかったなあ

・とちゅう退屈してしまったわたしは感受性が足りないのであろうか

・日本映画を英語圏で見ると、「そこ、あれ、字幕違ってない?」みたいなことが結構あることだなあ 字幕というのはそれじたい台詞の解釈が混じる仕事だから、どうしても違和感が出てくるんだろうね。逆を言えばわたしが字幕で見てる外国映画でも、字幕製作者の解釈を通じて映画を見てるようなところがあるんだろうなあ

・やっぱり北海道の景色がきれいだなあ


こんな感じの感想でした。


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